イシス
イシスはエジプト神話の女神。オシリスの妻で、ホルスの母。ナイル河畔のサイスに大規模な神殿があったことで知られる。ローマ共和国末期にローマにイシス信仰が持ち込まれて発展し、ほぼローマ帝国全域で崇拝された。イシスがホルスに授乳する様子などが、イエスの母・マリアへの信仰の元になったといわれる。
サイスのイシス神殿の銘文「わが面布を掲ぐる者は語るべからざるものを見るべし」は真理の性格をあらわすものとして、ヨーロッパで好んで引用された。ノヴァーリスの『ザイスの弟子たち』はイシス神殿の学生たちを登場人物としたものである。
オシリス神話により献身的な母や妻としての印象が強いが、他の神話的物語では強力な魔術師的存在として描かれ、その力を用いて父ラーから支配権を強引に奪い取ったという神話も残っている。