チーズ
チーズは、ウシ・水牛・ヒツジ・ヤギ・ヤクなどからとれる乳を加工してつくられる食品の一種。乳は古くから食品として広い地域で、さまざまな文化で利用されてきたが、そのままでは保存性に欠ける上、液体のため運搬にも不便である。そのため水分を抜いてこれらの欠点を補おうと考え、加工されたのがチーズの始まりである。その起源は定かではないが、紀元前4000年ころには作られていたと考えられている。
乳にレンネット(凝乳酵素)または酸(食酢、レモン汁など)を加え、静置するとふわふわの白い塊と上澄みの水分(ホエー、乳清)に分離する。この白い塊はカード(凝乳)と呼ばれ、これを絞るなどしてさらに水分を除いたものがフレッシュチーズ、チーズの原型である。多くの場合はこれに熟成・加工の過程を加えてさまざまな味わいのチーズを作り出す。加工の過程では乳酸菌やカビなどを用いて醗酵させたり、加温・加圧などの工程を加えて保存性を高めるなどの工夫が凝らされている。
加工の仕方や材料によってチーズは数種類に分類される。
プロセスチーズ:加熱・溶解させることで醗酵を止め、長期保存に適した状態にしたもの。 ナチュラルチーズ:加熱処理されていないもの。原料、熟成の手段、仕上がりの状態などによってさらに以下のように細分類される。 フレッシュチーズ:熟成させないチーズ。常温での保存はできない。 パニール:インドで一般的に使われるチーズ。ミルク(乳脂肪分の多いバッファロー・ミルクの場合が多い)を温めレモン等で分離させた脂肪分を集めて固めたもの。外見は豆腐に似ている。 カッテージチーズ ウォッシュチーズ:表面に菌を植え付けて熟成させ、同時にそれをワインや塩水などで洗い流す過程を経たもの。 白かびチーズ:表面に白かびを植えつけて熟成させるもの。 青かびチーズ(ブルーチーズ):内部に青かびを植えつけて熟成させるもの。 山羊乳チーズ:山羊の乳を原料とするもの。シェーブル(フランス語の山羊乳を意味する語)とも。 セミハードチーズ:加温・加圧などによって水分を除去する過程を経たもの。 ハードチーズ:セミハードと同じ方法で、さらに水分を少なくしたもの。
比較的保存がきく食品であることなどから、人類とチーズのつきあいは長い。
ホメロスのオデッセイアにはフェタチーズへの言及があり、古代インドの叙事詩「リグ・ヴェーダ」にはチーズを勧める歌が、ほかにプリニウスの「博物誌」やアリストテレスの著作にもチーズについての記述がある。 日本では飛鳥時代頃から乳牛の伝来と飼育が始まり、酪(らく)、酥(そ)、醍醐(だいご)と言った乳製品が作られるが、この「醍醐」がチーズのことを指すと言われ、「醍醐味」という言葉の起源にもなっている。
イタリア料理(パルミジャーノ・レッジャーノチーズやモッツァレラチーズ)やメキシコ料理(ナチョチーズ)など、チーズが欠かせない料理もある。
インドでは、ヴェジタリアンの割合が多く、欧米のヴェジタリアンとは違いインドの一般的なヴェジタリアンは卵も食べない。そのため多くの人が乳製品からタンパク質を補給し、フレッシュチーズのパニールを使った料理が豊富である。インド料理の菜食のメニューの半数程はパニールを使っている。地域によっては半数以上のレストランがヴェジタリアン専用で、ヴェジタリアン専用ではないレストランもメニューの半分はヴェジタリアン用のメニューである。
おもなチーズ
以下は日本で比較的よく消費されているーズの主要産地別一覧である。さらに詳細なリストはチーズの一覧を参照のこと。イタリア:ロマーノチーズ-モッツァレッラ・チーズ-パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ-ゴルゴンゾーラ・チーズ-リコッタ・チーズ-プロボローネチーズ
フランス:カマンベールチーズ
他:コルビーチーズ-フェタチーズ-エメンタールチーズ-ナチョチーズ-クリームチーズ
関連項目
イタリアのチーズ 食物アレルギー