ガラス
ガラス(Glass、glassはグラスとも言う。漢字表記は硝子)とは、珪酸塩や炭酸塩などを主成分とし、固体のように見える液体のことである。
通常は可視光線に対して透明(不純物等によって着色したものもある)。また、可視光線以外(或いはそれも含めて)に対して透明(或いは不透明)であるものもある。窓ガラスや鏡、レンズ、食器(グラス)など市民生活及び産業分野において広く利用されている。
ガラスの製造法には、上記以外にもいくつかの方法が存在する。これには液体状態を急冷するという過程を含まないものもあり、これらを含めて、次のような定義をすることもある。
- ガラスとは、ガラス転移現象を示すような非晶質固体のことをいう。
ガラスとアモルファスは、ほぼ同義のものとして捉えてよい場合が多いが、ガラス転移点が明確に存在しない場合をアモルファスと定義するような場合(分野)もある。
ガラスの歴史
ガラスの歴史は古く、紀元前5000年ごろにはすでに使われていたと考えられている。当時はガラスそれ自体を材料として用いていたのではなく、陶磁器などの製造と関連しながら用いられていた。不透明で青緑色に着色したものが多数出土していることから、青銅器の製造と関連して副次的に作成されていたものもあると考えられている。
天然ガラスの利用はさらに歴史をさかのぼる。火山から噴き出した溶岩がガラス状に固まったものは黒曜石と呼ばれ、石器時代から石包丁や矢じりとして利用されてきた。
古代エジプトではさかんにガラスの製造が行われており、宝石とガラスを交換することもあったという。アッシリアの石版図書館の文献にはガラスの製造法に関する記述も多く、現在のソーダ石灰ガラスと同様のガラスが既に作られていたらしい。
ガラス製の深皿や容器などの利用はこの当時から行われていたが、それはプレス成形のような方法で作られていた。正倉院に残っているような壺や花瓶のような形状のガラスが作成されるには吹きガラスの発明を待たなければならない。
ガラスが産業的に重要な意味を持ってくるにつれて、ガラス職人の社会的地位は向上したが、同時にその製法は秘密とされた。ヴェネチアでは屈折率が高く輝きのよいガラスを製造することに成功したが、酸化鉛を加えるというその秘法は秘中の秘とされた。酸化鉛を用いたガラスは現在でもクリスタルガラスとしてイミテーションなど用いられている。
15世紀には欧州各地でさかんにステンドグラスが製造された。当時の平坦なガラスは、吹いて作ったガラスを伸べてアイロンがけすることで作られていた。大面積の板ガラスが作られるようになったのは20世紀に入ってからである。
ガラスは砂や灰などの原料を1000℃以上の高温で溶融し、冷却・固化するというプロセスで作成される。そのため、ガラス製作には大量の燃料が必要であった。そのため、ガラス工房は各地の森を転々と移動し、その森の木を燃やし尽くしたら次の森を探して移動するようなことになっていた。ガラス工場が定在するようになったのは石炭と石油が利用されるようになってからである。
1970年頃から、ガラスの新しい製造法としてゾル-ゲル法が研究され始めた。これまでガラスを製造する方法は原料を溶融・冷却固化するという方法だけであったが、ゾル-ゲル法では有機金属の溶液から溶融状態を経由せずに直接ガラスを得る。この方法の発明によって、有機無機ハイブリッド材料の創製など、従来では考えられなかったガラスの用途が次々に開かれてきている。
現在、ガラスは食器や構造材のみならず、電子機器、光通信など幅広い分野で生活に必要不可欠なものとなっている。
ガラス年表
関連用語
ガラス転移 サングラス ステンドグラス スピングラス
ガラスの応用
食器 窓ガラス レンズ 光ファイバー ブラウン管 液晶ディスプレイ プラズマディスプレイ 蛍光灯 白熱電球
いろいろなガラス
石英ガラス
偏光ガラス
強化ガラス
耐熱ガラス
防弾ガラス
グラスファイバー
水ガラス
アクリルガラス
金属ガラス
金属ガラスは、3種類以上のランダムに並んだ元素から成る結晶でない金属。光ファイバーの接続用端子などに用いる。
圧力センサーとして使うと、ニッケルなどを主成分とした金属ガラスで、従来のステンレスの4倍近い感度で、センサーのサイズも2ミリ程度まで小型化、軽量化できる。