ラジオ
ラジオとは、無線送受信技術のことであるが、一般に次のような意味に用いられる。ラジオ技術(無線技術)
- 電波を用いて行う無線送受信の仕組み、あるいはそのための技術。
- ラジオ放送で送られる番組(プログラム)
- ラジオ放送を聴取するための受信機
ラジオ放送の種類
変調方式による分類
電波に音響情報を乗せて送るためには、高周波の電波を低周波の音響信号で変調 (modulation) する必要がある。変調方式の違いにより幾つかのラジオ放送方式が存在する。アナログ変調 振幅変調 (AM) - 主として中波および短波の放送で用いられる。 周波数変調 (FM) - 主として超短波以上の周波数で用いられる。
衛星デジタル放送 BSデジタル放送 CSデジタル放送 地上デジタル放送(デジタルラジオ)- 2003年10月10日、東京・大阪で実用化試験放送開始
周波数による分類
また、放送に用いられる電波の周波数の違いにより分類することもできる。日本では、主に中波を使うAM放送、短波を使う短波放送、超短波を使うFM放送の3種類の放送が行なわれている。 長波 (LF、LW) 長波放送(高緯度地域のラジオ放送) 中波 (MF、MW) AM放送 短波 (HF、SW) 短波放送 : 国際放送・日経ラジオ社のラジオNIKKEI(日本の国内向け民間放送)が使用している。振幅変調 (AM) である。 超短波 (VHF) FM放送
AM放送
広義には、振幅変調 (AM) によるラジオ放送であるが、日本で「AM放送」「AMラジオ」という場合は、中波放送を指して呼んでおり、同じAM電波を用いる短波放送は含めない。伝送周波数帯域幅が狭く・変調方式の特性としてノイズ等に耐性が弱いため、スポーツ実況中継・ニュース・交通情報などの情報を提供するような生番組が主に放送されている。ステレオ放送も行われているが、あまり普及していない。 また、高速道路等で路側の同軸ケーブルからAM電波(通常は1620kHz)を漏洩させて、混雑状況を案内するなど、特殊な用途にも使われている。
放送局(送信所)から到達する距離が長いため、1つの都道府県内で放送を行う県域放送、複数の都道府県にまたがって放送される広域放送がある。
FM放送
周波数に超短波(日本では76-90MHz)を使い、周波数変調 (FM) を用いて放送されている。1チャンネルの搬送波周波数間隔が100kHzあり、伝送できる周波数帯域が広く、S/N比が高い(雑音に強い)ため主に音楽番組等が放送されている。また、多重技術を利用して、音声多重放送(ステレオ放送)、文字多重放送(愛称・見えるラジオなど)が行なわれている。音声多重放送はほとんどの局で常時実施されている。このほかFM東京では通信制教育番組を放送するために、ステレオ音声とは別に専用受信機を用いて独立音声を多重するものもあったが、現在は廃止されている。文字多重放送は単体受信機はあまり普及していないものの、カーナビに渋滞情報などを提供する手段のひとつとして、全国で利用されている。使用周波数の特性上、放送局(送信所)から到達する距離が短いため、1つの都道府県内(県域放送)、あるいはさらに細かな中継所単位で放送が行なわれている。この特性を利用して、最近では地域に密着した情報を提供することを目的とするコミュニティFM局と呼ばれる、1つの市区町村程度を対象に、空中線電力(出力)を20W以下で放送を行う形態もある。
なお、沖縄や北陸の一部では、上記AM(中波)放送の中継用に、FM放送が使用されている。(中華人民共和国・大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国方面からの中波放送の混信が夜間に特に激しい地域)
東京および前橋地区では、通信制大学である放送大学学園が大学教育放送を行っている。かつては東海大学が、保有していた実験局「FM東海」で通信制高校「東海大学付属望星高等学校」の授業番組を放送し、同局がFM東京に移行してからも、平日の18時半〜21時に放送していたが、現在はCSのPCM音声チャネルに移行している(放送大学と異なり、市販CS受信機では受信不可能で、特殊チューナが必要)。
auからFMラジオが聴ける携帯電話が発売されている。(FM keitai)
ラジオ放送の最初
無線での音声放送(ラジオ)を世界で初めて実現したのは元エジソン社技師であったカナダ生まれの電気技術者レジナルド・フェッセンデン(Reginald Aubrey Fessenden 1866~1932)で、1900年に歪みはひどいものの最初の通信テストに成功した。彼は引き続き、ヘテロダイン検波方式や、電動式の高周波発信器を開発してラジオの改良に取り組んだ。1906年12月24日には、アメリカ・マサチューセッツ州の自己の無線局から、自らのクリスマスの挨拶をラジオ放送した。フェッセンデンはこの日、レコードでヘンデル作曲の「ラルゴ」を、そして自身のバイオリンと歌で「きよしこの夜」を電波に乗せた。偶然に傍受した無線技術者たちを驚かせたこの放送こそ、「世界初のクリスマス特別番組」であり、フェッセンデンは「史上初のラジオアナウンサー&プロデューサー」と言えるだろう。
正式な公共放送(かつ商業放送)の最初は、1920年11月2日にアメリカ・ペンシルヴァニア州ピッツバーグで放送開始したKDKA局と言われる。これはAM方式によるものであった。最初のニュースは大統領選挙の情報で、ハーディングの当選を伝えた。
極長距離を伝送できる短波ラジオ放送を最初に行ったのはオランダの国営放送で、1927年11月から海外植民地向けに試験放送を開始した。翌1928年には当時オランダ領であったインドネシア・ジャワ島での受信に成功、この実績に追随してドイツ、ソ連、フランス、イタリア、イギリス等が1929年~1932年にかけて植民地向け放送や海外宣伝放送を短波で開始している。
周波数変調方式(FM方式)は、フェッセンデンによって1902年に考案されているが、実用化されたのは1933年になってからで、アメリカのエドウィン・H・アームストロング(Edwin.H.Armstrong 1890~1954)の手による(アームストロングは1920年にスーパーヘテロダイン検波方式も実用化している)。FM方式による公共放送はアメリカで1938年から試験的に開始された。
日本初のラジオ放送
日本初のラジオ放送は、1925年3月22日午前9時30分、社団法人東京放送局(JOAK:現在のNHK東京放送局)が東京・芝浦の東京高等工芸学校(現在の千葉大学工学部)内に設けた仮送信所から発した京田武男アナウンサーによる第一声「アーアーアー、聞こえますか。JOAK、JOAK、こちらは東京放送局であります。こんにち只今より放送を開始致します」
であった(当時使われていたラジオは「探り式鉱石受信機」がほとんどであり、第一声の「アーアーアー」は、この間に聴取者が鉱石の針先を一番感度の良い部分に調節できるようにするための配慮であると言われている)。
周波数は800kHz、空中線電力約220Wであった。
元々は3月1日に放送を開始する予定であったが、購入する予定だった日本にたった1台の放送用送信機(ウェスタン・エレクトリック(WE)社製)が、同じく設立準備中の大阪放送局に買い取られてしまった。
そこで東京放送局は、東京電気研究所の送信機(ジェネラル・エレクトリック社製)を借り放送用に改造して使用することにしたが、2月26日の逓信省の検査で「放送設備は未完成のため3月1日からの放送はできない」と判断された。
既に3月1日から放送を開始すると報じており、また、大阪放送局よりも先に日本初のラジオ放送を行いたいということで、「試験放送」という形で逓信省の許可を受け、なんとか3月1日から放送を開始することができた。
3月22日には逓信省から正式に免許を受けて仮放送を開始し、7月12日に愛宕山からの本放送が開始された(あらためて購入した出力1kWのWE社製送信機を使用)。
大阪放送局はその年の6月1日から仮放送を出力500Wで開始した。
さらに、名古屋放送局(出力1kWのマルコーニ社製送信機を使用)も同年7月15日に放送を開始した。
関連項目
ラジオ局 JRN(TBSラジオ;をキーステーションとする全国ネットワーク機構) NRN(文化放送及びニッポン放送をキーステーションとする全国ネットワーク機構) 地方民間放送共同制作協議会(火曜会。東京・大阪以外の全国のAMラジオ局が加盟している団体。) JFN(TOKYO FMをキーステーションとする全国ネットワーク機構) JFL(J-WAVEをキーステーションとする全国ネットワーク機構) MegaNet(外国語放送局の全国ネットワーク機構) コミュニティ放送局 独立ラジオ局 放送 テレビ放送 有線放送 ケーブルテレビ インターネットラジオ