This article at Wikipedia

ベクトル

ベクトルとは、線型代数学の根底をなす概念の一つである。

最もおおざっぱな言い方では、ベクトルとは大きさと向きを持ったもので、スカラーに対して使われる言葉であり、平面上や空間内の矢印(有向線分)として幾何学的にイメージされる。例えば、速度加速度はベクトルである。この概念は、座標系を指定して、解析的な表示を与えることにより、自然に数ベクトルの概念へと導かれる。

線型代数学では、矢印のベクトルや数ベクトルはもっと抽象化されて、ベクトルとは単にベクトル空間の元のことになる。つまりベクトルには和とスカラー倍が定義されていることだけが問題とされる。しかし、基底を媒介にして、一般的なベクトルは数ベクトルとして扱うことが出来る: つまり、基底 e1, e2, ..., en を固定したとき、任意のベクトル v は基底の1次結合として

のように表すことができる。このとき、v を係数を並べたベクトル
と同一視することで、基底の定められたベクトルは数ベクトルとして扱える。

この記事では、主に数ベクトル(空間)について扱い、部分的に一般のベクトル空間への抽象化に言及する。一般の場合についてはベクトル空間も参照せよ。

数ベクトル

数ベクトルは、実数複素数有理数などから一種類選んで固定する)を並べたものである。

数ベクトル a に対して、a1, a2, a3 を数ベクトルの要素または成分 (element) と呼ぶ。要素の数を数ベクトル a次元 (dimension) もしくは要素数と呼ぶ。次元 n の数ベクトルを n 次元数ベクトルと呼ぶ。上の例では、数ベクトル a は 3 次元数ベクトルである。n 次元数ベクトル全体の集合を n 次元数ベクトル空間という。

• 横に並べた数ベクトルを横ベクトルまたは行ベクトル。縦に並べた数ベクトルを縦ベクトルまたは列ベクトルと呼ぶ。上の例では、a は行ベクトル、b は列ベクトルである。 • 数ベクトルは n*1 もしくは 1*n行列でもある。 • 数ベクトルの要素が全て 0 の数ベクトルを零ベクトルと呼ぶ。零ベクトルでない数ベクトルを非零ベクトルと呼ぶ。 • 数ベクトルは、しばしばその成分を座標と見ることにより、有向線分(矢印)を用いて幾何学的ベクトルとして表現される。

数ベクトルの和、差

同じ次元の数ベクトルの和(差)を、要素同士の和(差)と定める。

の時に、和 a + b と、差 a - b
となる。

また、a, b がどんなものであっても a + b = b + a が成り立っていることに注意されたい。

数ベクトルのスカラー倍

c を普通の数(スカラー)とする。ベクトルのそれぞれの要素を c 倍することで、スカラー倍が定義できる。

ここまでで、数ベクトルには和とスカラー倍が定義されることを述べた。これは一般のベクトル空間についてもそのまま成り立つ。

数ベクトルの内積

同じ次元の数ベクトルの内積を、要素同士の積の総和と定める。 ab の内積を a · b と表現する。 内積は転置行列を用いると

と行列の積を用いて表現できる。

先ほどの例において、a · b は、

内積は一般のベクトル空間についても考えられる。計量ベクトル空間の項目を参照。



This article is from Wikipedia, the Free Encyclopedia. All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.


社会 • 社会政治経済産業交通教育歴史福祉医療環境環境問題市民活動平和軍事 • 芸術と文化 • 芸術文化言語宗教遊び趣味伝統芸能文学音楽美術演劇映画アニメ漫画建築スポーツゲームギャンブル食文化ファッションマスメディア出版新聞放送テレビラジオ • 世界 • 世界アジアアフリカオセアニア北アメリカ南アメリカヨーロッパ • 日本 • 日本北海道東北関東中部近畿中国四国九州沖縄 • 学問 • 学問文学哲学倫理学心理学社会学法学経済学数学物理学化学生物学地球科学医学工学 • 自然 • 自然宇宙元素気象災害海洋生物植物動物鉱物 • 技術 • 技術コンピュータネットワークエレクトロニクスバイオテクノロジー • 資料 • 索引年表365日地図世界各国関係記事人名一覧一覧の一覧