ヘリコプター
ヘリコプター(Helicopter)は、航空機の一種で回転翼機とも呼ばれる。エンジンの力で機体上部にある細長い翼(ローターや回転翼と呼ばれる)を回転させ、揚力を起こして飛行する。ヘリコプターの名前はギリシャ語の螺旋(helico-)と翼(pteron)に由来する。
概説
ヘリコプターはローターの垂直方向の角度(ピッチ角)や回転軸の傾きを調整することによって、非常に複雑な動きができるようになっている。例えば、垂直上昇や垂直降下、空中停止(ホバリング)のほか、機体の向きを保ちながら真横や後ろに進む事もできる。このようなヘリコプターの性質は、狭い場所や複雑な地形での活動に向いており、山岳地や海上などにおける物資の輸送や、遭難者の救助、報道取材、農薬散布などの産業航空用に適している。
しかし、翼の固定された航空機(飛行機、固定翼機)に比べると、一般に、速度が遅く、燃費も悪い。航続距離も短い。この点を改善しようという試みが、ティルトローターやティルトウィングである。
なお、1988年6月20日~1991年10月18日まで、「シティエアリンク」という会社が羽田空港と成田空港を結ぶ路線を運行していたが、一般飛行機に比べ騒音や運行コストが高く、航空路線としては不採算なためか、その後ヘリコプターによる航空路線は存在しない。
飛行の原理
操縦
ヘリコプターの操縦系統は固定翼機の操縦桿に代わり、ピッチを可変するコレクティブピッチレバー、回転軸の傾きを調整するサイクリックスティックを持ち、それぞれ左手・右手で操作する。
反トルクについて
ヘリコプターはローターが回転し、揚力を生み出すことで浮遊する。 このとき、機体側がローターを回転させることの反作用として、ローターが機体を逆方向に回転させようとするモーメントが生じる。これは反トルク・カウンタートルク・トルク効果などと呼ばれる。この反トルクを打ち消すために、以下のような方法が使われている。 テールローター - 尾部に備えたローターにより横向きの揚力を生み出す。この揚力によるモーメントで打ち消す。機体の回転方向と揚力の向きの関係により、プッシャータイプとトラクタータイプがある。 ノーター - テールブーム内部から横方向に空気を噴出してブームに循環を起こし、ローターから吹き下ろされる空気流を曲げることで横向き揚力を得る。 2重反転式ローター - 上下にローターを備え、互いに逆方向に回転させることにより打ち消す。 ツインローター - 前後または左右にローターを備え、互いに逆方向に回転させることにより打ち消す。前後にローターを備えたものはタンデムローターと呼ばれる。
- 参考外部リンク - Helicopter Yaw Control Methods(英文)
なお、飛行機のプロペラでも反トルクは生じている。しかし、主翼の揚力によるモーメントと比べて小さいため、ふつうは問題とはならない。
歴史
ヘリコプターは、16世紀、レオナルド・ダ・ビンチが最初に構想した。しかし、当時は空想上の産物でしかなく、その構想が現実味を帯び始めたのは20世紀になってからであった。1907年フランスのポール・コルニュ(Paul Cornu)が約2mの高さで20秒間のホバリングに成功した。
実際に、きちんと飛行できるヘリコプターが最初に飛行したのは、ハインリッヒ・フォッケにより1936年にベルリンで開発されたFocke-Wulf Fw61である。
ロシアから米国へ亡命したイゴール・シコルスキーもヘリコプターのパイオニアの一人で単ローター、尾部ローター付という、現在の主流の形式のVS-300を1939年に初飛行させた。
民間ヘリコプター
ベル
206B/L 210 222A/B 230 407 427 430
ロビンソン
R22
ユーロコプター
AS350 AS355 AS332
川崎
BK-117
ボーイング
KV107
軍用ヘリコプター
アメリカ軍のヘリコプター
攻撃用途(Attack) AH-1 コブラ AH-64 アパッチ 輸送用途(Carriar) CH-47 チヌーク (通称 ウオッカ・ウオッカ) CH-53 スーパースタリオン(Super Stallion) 救援用(Helper) HH-60 ペイブホーク シコルスキー(Sikorsky) HH-53 ジョリーグリーンジャイアント(Jolly Green Giant) 偵察用途(observation) OH-58 カイオワ 対潜水艦用(Sea) カマンKaman SH-2 シースプライト(Seasprit) SH-53 シーキング SH-60 シーホーク(Sea-Hawk) 汎用(Universal) UH-1 イロコイ (通称 ヒューイ) UH-60 ブラックホーク アメリカ軍でのヘリコプターの通称は「chocolate mice(チョコレートを狙うネズミ)」
ロシア
対潜用途 カモフ(Kamov) Ka-25, Ka-27 攻撃用途 カモフKa-50 ホーカム ミルMil-24 ハインド(Hind)イギリス
汎用 ウエストランド(Westland) リンクス(Lynx) 対潜用 ウエストランド(Westland) シーキング(Sea King)
フランス
汎用ヘリコプター アエロスパシアル(Aerospatiale) ピューマ(Puma) ユーロコプターEurocopter シュペルピューマ(Super Puma) クーガー(Cougar)
南アメリカ
攻撃用 デネル(Denel Aviation) AH-2 ルーイファルク (Rooivalk)
日本
偵察用 川崎重工 OH-1
関連項目
オートジャイロ