This article at Wikipedia

ブラックジャック

ブラックジャックは、トランプを利用したゲームの一つである。世界のほとんどのカジノで人気が高い。カードの合計点数が21点を超えることなく、できるだけ高い点数を得ることを競う。バカラやおいちょカブと似たスタイルのカジノゲームの一種。

ルール

ブラックジャックでは、プレイヤーはプレイヤー同士ではなくディーラー(親、胴元)に対して賭ける(ベット)。つまりディーラーは複数のプレイヤーと勝負することになる。各プレイヤーの目標はディーラーよりも手持ちのカードのポイントの合計を21に近づけることである。手の中のカードのポイントは、カード2~10ではその数字通りの値であり、A(エース)は1あるいは11でありどちらの数をとるかは状況に応じプレイヤーが選択することができる。また、絵札であるK(キング)、Q(クイーン)、J(ジャック)は10と数える。

初めのベットが終わると、ディーラーはカードを自分自身を含めた参加者全員に2枚ずつ配る。ディーラーの2枚のカードのうちの1枚は表になっていて見ることができる。もう1枚のカードは伏せられている(ホールカードと呼ぶ;ヨーロッパでは、ノーホールカードと呼ばれるルールが一般的であり、プレイヤーの行動が全て終わるまでディーラーの2枚目のカードは配られない)。 プレイヤーのカードはカジノによってフェイスアップ(表向き)の場合とフェイスダウン(裏向き)の場合があるが、フェイスアップの方が一般的である。この時点で、プレイヤーが21(1枚は10,J,Q,Kのうちのどれかで、もう1枚はA)であればナチュラル21又はナチュラルブラックジャックと呼ばれ、ディーラーが21でない場合には、1.5倍の払い出しとなる。プレイヤーもディーラーもナチュラル21の場合には引き分け(プッシュ)となる。プレイヤーが21ではなくディーラーがナチュラル21の場合にはこの時点で自動的にプレイヤーの負けとなる。

次のステップでは、プレイヤーはヒット(hit;カードをもう1枚引く)またはスタンド(stand;カードを引かずに勝負する)の選択を行う。ルールによっては、ヒットとスタンド以外にも追加のルールを採用しているところもある(下記「特別ルール」参照)。プレイヤーは21を超えなければ何回でもヒットすることができる。21を超えてしまうことをバスト(bust)と呼び、直ちにプレイヤーの負けとなる。 プレイヤーが全員スタンドするとディーラーは自分のホールカードを開く。ディーラーは追加のカードを引く場合もあれば引かない場合もある。これはディーラーの意志で決めるのではなくカードの合計数で自動的に決定される。 ディーラーは、自分の手が17以上になるまでカードを引かなければならず、17以上になった時点で追加のカードを引くことは出来ない。ディーラーが21を超えた場合には21を超えていないプレイヤーは全員勝利する。プレイヤーとディーラーが同じポイントの場合にはプッシュとなる。 Aと6の組み合わせの、7にも17にも見なせる場合にディーラーがヒットするかスタンドするかは、カジノによって異なっている。

特別ルール

カジノによってはヒットとスタンド以外の選択枝が用意されている場合がある。 代表的なものを以下に示す。

• スプリット(Pair splitting):配られた2枚のカードが同じ数字の場合、初めのベットと同額のコインを追加することで、それを2つに分けてプレイすることができる。10と数えられるカード(10,J,Q,K)は全てペアと見なすことが出来るカジノもある。また、ほとんどのカジノではAのペアのスプリットでは、それぞれ1枚しか引くことができない。

• ダブルダウン(Doubling down):プレイヤーは最初の2枚のカードを見てからベットを2倍にしてもう1枚だけカードを引くことが出来る。さらに追加して引くことはできない。多くのカジノでは最初の数がいくつでもダブルダウンすることが出来るが、カジノによってはカードの合計が11,10(又は11,10,9)の場合にのみダブルダウンできるルールを採用している。

• サレンダー(Surrender):プレイヤーの手が悪く、勝ち目がないと判断した場合に賭け金の半額を放棄してプレイを降りること。ディーラーがナチュラル21の場合には適用されない。このルールを採用しているところは稀である。

• インシュアランス(Insurance):ディーラーの表向きのカードがAのときには、最初のベットの半額を追加することにより、保険をかけることができる。ディーラーがナチュラル21であった場合には掛け金の2倍の保険金が払い戻され、そうでない場合は没収される。これはプレイヤーにとってあまり得なオプションではないが多くのカジノでこのオプションは提示される。

プレイの目安

以下の項目は実際にブラックジャックを行う上での簡単な指針である。これらの事項を守ることでおおむね90%以上のプレイ効率が期待される。

• 17点以上あれば常にスタンドする。11点以下では必ずヒットする。 • ディーラーは3回に1回はバストする。特に、見えているカードが3~6の場合はさらに高確率でバストすることが期待できるので、16点以下の低い点数でもスタンドする • 反対に、ディーラーがAや10点のカードの場合は、バストせず高い点数になることが予想されるので、積極的にヒットして対抗する • Aか8のペアの時にはスプリットすると良い。Aは高得点が期待できる。また、8のペアは合計で16と点数的に良くないので、スプリットすることにより現状よりましな点数を期待する
スプリットには倍のベットが必要とされるので、不利なときにスプリットするのは良くない選択である。また、いくら有利でも10点のペアをスプリットしてはならない • ダブルダウンは、自分の点数が良くディーラーの点数が良くない場合、具体的には、合計が11点でディーラーのアップカードがAでない時と、合計が10点でディーラーがAでも10でもない場合に行う • インシュアランスは行わない

基本戦略

ほとんどのカジノのゲームは、長いスパンではハウス(店)側がプレイヤーよりも統計的に有利に出来ている。 しかし、ブラックジャックはプレイヤー側の選択の幅が大きく、「基本戦略(Basic Strategy)」として知られる統計学的に最適な行動をとることによりカジノの優位をおおいに縮小することが出来る。一般に99%程度のプレイ効率が期待される。

以下の戦略表はプレイヤーの手(ハンド)およびディーラーの表向きのカード(フェイスアップカード)に基づいて、プレイヤの最適な行動を決定するものである。ただし、カジノのルールや使用するデッキの数などにより影響を受けるため、すべての場合で最適なわけではない。

基本戦略の表

ハンドディーラーのフェイスアップカード
2345678910A
ハード(Aを1と数えた場合)のトータル
17-21SSSSSSSSSS
13-16SSSSSHHHHH
12HHSSSHHHHH
11DDDDDDDDDH
10DDDDDDDDHH
9DDDDDHHHHH
5-8HHHHHHHHHH
ソフト(Aを11と数えた場合)のトータル
A,8-10SSSSSSSSSS
A,7SDDDDSSHHH
A,6HDDDDHHHHH
A,4-5HHDDDHHHHH
A,2-3HHHDDHHHHH
ペア
A,A 88SPSPSPSPSPSPSPSPSPSP
10,10SSSSSSSSSS
9,9SPSPSPSPSPSSPSPSS
7,7SPSPSPSPSPHHHHH
6,6SPSPSPSPHHHHHH
5,5DDDDDDDDHH
4,4HHHHHHHHHH
2,2 3,3HHSPSPSPSPHHHH

上の表は基本的な1デッキラスベガスルールの場合である。
S:スタンド、H:ヒット、D:ダブル、Sp:スプリット

応用戦略

残りデッキに、10点のカードが多く残っている場合にはプレイヤー有利、低い数のカードが多く残っている場合にはディーラー有利になることが統計的に確かめられている。

であるので、表になったカードを記憶していくことによってカードの偏りを察知し利用すれば、プレイヤーはより有利に戦うことができ、ルールによってはプレイ効率を100%以上にすることができる。しかし、カードを完全に記憶することは至難の業である。

そこで、カウンティング (counting)と呼ばれる簡便法を用いることが広く知られている。

基本的な例をここに示す。心の中であるひとつの数(カウントと呼ばれる)をイメージし、カードが開かれていくのに合わせて • ハイカード(high card; 10点カードとA)が見えたら -1 • ローカード(low card; 2~6点のカード)が見えたら +1 • その他のカードは 0 というルールに従ってカウントを増減させていく。ここで、そのカウントがある一定の閾値を越えプレイヤーに有利となったらベットを増やし積極的なプレイを行い、逆に、プレイヤー不利となったらベットを減らし消極的なプレイを行う。また、残りカードの傾向によって戦略変更(strategy change, index change とも; 基本戦略からの逸脱)を行うこともできる。

このようなカウンティングを利用することで、平均的なプレイ効率を0~2%上昇させることができる。

複雑な手法はより一層の効率の上昇が期待できるが、記憶力や疲労とのトレードオフとなる。そのため、カウンティング手法にも難易度や着目すべき点によっていくつかの種類がある。

簡易な手法の代表的なのものに KO, Hi-Lo (lite), Hi-Opt I がある。これらは主にカウントに対するベット戦略に重点をおいたものであり、戦略変更 は少ない。また、カードの残り枚数への考慮はおおざっぱなものであるか、存在しない。

より高度な、例えばサイドカウント(side count; A の枚数や A と 2 の枚数の差などを独立に記憶すること)を加えたものや、カウントに応じた戦略変更や残り枚数の勘案をさらに精密に行う手法に、Omega II, Zen などがある。

これらの戦略は書籍やWebサイト等で有料もしくは無料で配布されている。

カウンティングは違法ではない。しかし、カジノホストによってはプレイヤー有利に傾くことを嫌い、カウンティングを止めるよう依頼したり、ディーラー側もカウントを行いプレイヤー有利なカウントになった場合早めにシャッフルする、といった対抗手段をとることがある。最終的には、ブラックジャックテーブルからの退去を求めることもある。

このため、多くのカウンティングの入門書には、あからさまにならないこと、他人と会話しながらでもカウント可能になるぐらいの熟練、の必要性が述べられており、中にはカモフラージュの演技や手法について独立した章が割かれるものもある。


手塚治虫原作の漫画は、ブラック・ジャックを参照せよ • 西側によってブラックジャックというコードネームがつけられた爆撃機は、Tu-160 (爆撃機)を参照せよ。 • 武器のブラックジャックは、ブラックジャック (武器)を参照。




This article is from Wikipedia, the Free Encyclopedia. All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.


社会 • 社会政治経済産業交通教育歴史福祉医療環境環境問題市民活動平和軍事 • 芸術と文化 • 芸術文化言語宗教遊び趣味伝統芸能文学音楽美術演劇映画アニメ漫画建築スポーツゲームギャンブル食文化ファッションマスメディア出版新聞放送テレビラジオ • 世界 • 世界アジアアフリカオセアニア北アメリカ南アメリカヨーロッパ • 日本 • 日本北海道東北関東中部近畿中国四国九州沖縄 • 学問 • 学問文学哲学倫理学心理学社会学法学経済学数学物理学化学生物学地球科学医学工学 • 自然 • 自然宇宙元素気象災害海洋生物植物動物鉱物 • 技術 • 技術コンピュータネットワークエレクトロニクスバイオテクノロジー • 資料 • 索引年表365日地図世界各国関係記事人名一覧一覧の一覧