スペイン語
スペイン語は世界で約3億5千万人の人々によって日常的に話されている言語で、国際共通語としても重要な言語の一つである。インド・ヨーロッパ語族イタリック語派に属する。スペインを始めとして、世界の21か国における公用語であり、国連の6つの公用語(他は英語、フランス語、ロシア語、中国語、アラビア語)の一つでもある。
特に中南米では、ブラジル、ガイアナ、ベリーズ、スリナム、ハイチなどを除く多くの国で使われている。
なお、中南米のスペイン語圏諸国からアメリカに移住した人は「ヒスパニック」と呼ばれ、近年ヒスパニックが増加した結果、アメリカでは事実上の公用語の英語に加え、ヒスパニックの割合の高いカリフォルニア州やフロリダ州などではスペイン語が第二言語となりつつある。
スペイン語が公用語である国・地域
欧州:スペイン北中米:メキシコ、グアテマラ、エルサルバドル、ホンジュラス、ニカラグア、コスタリカ
カリブ:キューバ、ドミニカ共和国/プエルトリコ(米国自由連合州)
南米:パナマ、コロンビア、ベネズエラ、エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ
アフリカ:赤道ギニア
なお、フィリピンは1898年までスペイン領であった関係もあり、特に上流階級の間でスペイン語が使われていたが、1986年に公用語から外された。とはいえ、現在でも主にカトリック文化などの関係でスペイン語の単語が多数フィリピン人の日常生活で使われている。
名称・表記
「スペイン語」のスペイン語での名称だが、カステリャーノ(castellano)またはエスパニョール(español)である。どちらかといえばエスパニョールのほうが一般的だが、スペイン語以外を使うスペインの地方(カタルーニャ、バスクなど)やアルゼンチン、ウルグアイ、チリなどではカステジャーノ(ブエノスアイレスではカステシャーノと発音)が主流で、コロンビアやペルーなどでもカステジャーノと呼ばれることがあるが、メキシコや中米諸国、またカリブなどではエスパニョールしか使われない。エスパニョールは文字通り「スペイン語」という意味だが、カステジャーノは「カスティーリャ語」という意味であり、スペイン国内でスペイン語以外を使う地域では「自分たちの言葉ではないよそ者の言葉」という意味で、南米では逆に「本場カスティーリャから受け継いだ正しいスペイン語」という意味で使われる。なお、日本では、スペイン語式の呼び名からイスパニア語とも呼ばれ、さらに西語と表記されることもある。スペイン語は、ラテン語の方言からバスク語やアラビア語の影響を受けて発展してきた言語で、イタリック語派のロマンス語の一群に含まれる。
文例と発音
文例
「Hola」(オラ)= こんにちは。 「Amigos」(アミゴス)= 友達(複数)。 「Buenos días」(ブエノス・ディアス)= おはようございます。 「Buenas tardes」(ブエナス・タルデス)= こんにちは。※ ※日本語の「こんにちは」は、メールの書き出しなどでは時間帯に関わらず使われることがあるが、こういう場合の「こんにちは」に相当するのはBuenas tardesではなくholaである。 「Soy japonés」(ソイ・ハポネス)= 日本人です。(♂) 「Soy japonesa」(ソイ・ハポネサ)= 日本人です。(♀)
発音
アクセント:ラテンアメリカでのスペイン語の発音、アクセントは場所によって異なる。 c, z: za,ce,ci,zo,zuは、スペインでは、英語における<th>(無声)と同じだが、南米では[s]になる。 g, j: gi, ge と j の子音はドイツ語の"ach laut"に近いが、それより少し奥のほうで発音する。 ll:本来の発音はLによるリャ行。だが、実際には多くの地域でヤ行とジャ行の中間の発音になっており(ヤ行にもジャ行にも聞こえる)、ブエノスアイレス近郊ではシャ行の発音になる。 y:本来の発音はヤ行だが、llと同じ変化が起こっている。 ch:カリブ諸国などでは、チャ行というよりもシャ行に近い発音になることがある。 rr:プエルトリコやドミニカ共和国では、Jの発音[x]になることがある(ブラジル・ポルトガル語に起こった変化)
スペイン語のアルファベットの読み(南米式?)
A a ア B b ベ C c セ Ch ch *チェ D d デ E e エ F f エフェ G g ヘ H h アチェ(発音しない) I i イ(イ・ラティナ:ラテン語の「イ」と言う意味) J j ホタ K k カ L l エレ Ll ll *エリェ M m エメ N n エネ Ñ ñ エニェ O o オ P p ペ Q q ク R r エレ(弱い巻き舌) RR rr * (ドブレ・エレ、エレ・ドブレ;かなり強い巻き舌) S s エセ T t テ U u ウ V v ヴェ(bと同音)、ウベ、ベ=バハ(低いベ) W w ヴェ=ドブレ、ウベ=ドブレ X x エキス Y y イ・グリエガ(ギリシア語の「イ」と言う意味) Z z セタ(セダ) (ch、rr、Llについて)
- 現在この文字を独立した一字として扱うことは、Real Academia Española(王立スペイン語アカデミー)の辞典でもしていない。
文法の特徴
・名詞は男性名詞と女性名詞に分かれるが、-oやajeなどで終われば男性、-aや-ciónなどで終われば女性という規則があるため比較的判別が容易である。
・名詞の複数形は(e)sをつけて作るが、これはフランス語やポルトガル語同様西ロマンス語の特徴であり、語尾の母音を変化させる東ロマンス語(イタリア語やルーマニア語)とは異なる
・定冠詞は男女・複数の別ごとに存在する(男性単数el、女性単数la、男性複数los、女性複数las、中性lo)。ただ、女性名詞でもアクセントの落ちるaまたはhaで始まる単数名詞の場合はelを使う(el agua)。
・形容詞は基本的に名詞に対して後置される(例:un coche moderno)が、若干の形容詞あるいは話者の主観を述べる場合は前置されることもある。また、かかる名詞の性数に応じて変化する(moderno, moderna, modernos, modernas)
・フランス語のenやイタリア語のne、あるいはフランス語のyやイタリア語のciに相当する代名詞は存在しない
・2人称は親称tú(複数形vosotros/as)と敬称usted(複数形ustedes)の2つ。
・2人称複数であるvosotros/asはスペインでしか使われず、中南米では親称としてもustedesが一般的に使用される。また、usted(es)は意味的には2人称だが、動詞の活用は3人称となる
・1人称や2人称が主語になる場合、主語の強調や意味の明確化が必要でない場合には主語をあえて表現しない
・動詞には直説法、接続法、命令法がある。直説法は現在、点過去、線過去、未来、過去未来、現在完了、過去完了、未来完了、過去未来完了が、接続法では現在、過去、現在完了、過去完了が存在する(中世には未来や未来完了も存在した)。また、各時制で主語の人称・数に応じて6通り(中南米では実質5通り)に活用される。
動詞の活用(ser)
| 叙法 | 直説法 | 接続法 | 命令法 | ||||||
| 単純時制 | 現在 | 点過去 | 線過去 | 未来 | 過去未来 | 現在 | 過去 | 未来 | |
| 1人称単数 | soy | fui | era | seré | sería | sea | fuera/fuese | fuere | - |
| 2人称単数 | eres | fuiste | eras | serás | serías | seas | fueras/fueses | fueres | sé |
| 3人称単数 | es | fue | era | será | sería | sea | fuera/fuese | fuere | sea |
| 1人称複数 | somos | fuimos | éramos | seremos | seríamos | seamos | fuéramos/fuésemos | fuéremos | seamos |
| 2人称複数 | sois | fuisteis | erais | seréis | seríais | seáis | fuerais/fueseis | fuereis | sed |
| 3人称複数 | son | fueron | eran | serán | serían | sean | fueran/fuesen | fueren | sean |
| 叙法 | 直説法 | 接続法 | |||||
| 複合時制 | 現在完了 | 過去過去 | 未来完了 | 過去未来完了 | 現在完了 | 過去完了 | 未来完了 |
| 1人称単数 | he sido | había sido | habré sido | habría sido | haya sido | hubiera/hubiese sido | hubiere sido |
| 2人称単数 | has sido | habías sido | habrás sido | habrías sido | hayas sido | hubieras/hubieses sido | hubieres sido |
| 3人称単数 | ha sido | había sido | habrá sido | habría sido | haya sido | hubiera/hubiese sido | hubiere sido |
| 1人称複数 | hemos sido | habíamos sido | habremos sido | habríamos sido | hayamos sido | hubiéramos/hubiésemos sido | hubiéremos sido |
| 2人称複数 | habéis sido | habíais sido | habréis sido | habríais sido | hayáis sido | hubierais/hubieseis sido | hubiereis sido |
| 3人称複数 | han sido | habían sido | habrán sido | habrían sido | hayan sido | hubieran/hubiesen sido | hubieren sido |
関連項目
言語
外部リンク
オンライン簡易西和辞典 オンライン簡易和西辞典