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原子力事故

原子力事故げんしりょくじこ)とは、原子力関連施設の事故のこと。特に、核燃料・計測・医療のために使う放射性物質から放射線が漏れ出したり、放射性物質そのものが漏れ出すと、大気や土壌、が汚染され、環境、人体ともに多大な被害をもたらす。

国際原子力事象評価尺度 (INES)

原子力発電所の事故・故障の事象報告の標準化を行うため、IAEAとOECD/NEAが策定した尺度。 1990年より試験的運用。1992年に各国の正式採用を勧告。同年に日本でも採用。

レベル 影響の範囲(最も高いレベルが当該事象の評価結果となる) 参考事例
基準1 基準2 基準3
事業所外への影響 事業所内への影響 深層防護の劣化
7
深刻な事故
放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出     チェルノブイリ原子力発電所爆発事故
1986年
6
大事故
放射性物質のかなりの外部放出:ヨウ素131等価で数千から数万テラベクレル相当の放射性物質の外部放出  
5
事業所外へリスクを伴う事故
放射性物質の限定的な外部放出:ヨウ素131等価で数百から数千テラベクレル相当の放射性物質の外部放出 原子炉の炉心や放射性物質障壁の重大な損傷 スリーマイル島事故
1979年
4
事業所外への大きなリスクを伴わない事故
放射性物質の少量の外部放出:法定限度を超える程度(数ミリシーベルト)の公衆被ばく 原子炉の炉心や放射性物質障壁のかなりの損傷/従業員の致死量被ばく JCO・臨界事故
1999年
3
重大な異常事象
放射性物質の極めて少量の外部放出:法定限度の10分の1を超える程度(10分の数ミリシーベルト)の公衆被ばく 重大な放射性物質による汚染/急性の放射性障害を生じる従業員被ばく 深層防護の喪失 旧動燃東海事業所・アスファルト固化処理施設火災爆発事故
1997年
2
異常事象
  かなりの放射性物質による汚染/法定の年間線量当量限度を超える従業員被ばく 深層防護のかなりの劣化 関西電力美浜発電所2号機・蒸気発生器伝熱管損傷
1991年
1
逸脱
  運転制限範囲からの逸脱 もんじゅナトリウム漏えい
1995年
0
尺度以下
安全上重要ではない事象  
評価対象外 安全性に関係しない事象  

• シーベルト(Sv):放射線が人体に与える影響を表す単位(ミリは1000分の1) • ベクレル(Bq):放射性物質の量を表す単位(テラは1012=1兆) • 深層防護の劣化の基準:安全上重要な設備の損傷の度合い 上表は、文部科学省(科学技術・学術政策局原子力安全課)の公文書から引用。

主な原子力事故

海外

• 1957年9月29日ウラル核惨事 ソ連ウラル地方カスリ市の北100kmにあるクイツシム町にある「チェリヤビンスク65」という施設で起こった事故。200万キューリーの放射能が飛散した。放射性物質の大量貯蔵に伴う事故の危険性を知らせた事故。

• 1957年10月10日ウィンズケール火災事故 世界初の原子炉重大事故 英国北西部の軍事用プルトニウムを生産するウィンズケール原子力工場(現セラフィールド核燃料再処理プラント)の原子炉2基の炉心で黒鉛(炭素製)減速材の過熱により火災が発生、16時間燃え続け多量の放射能を外部に放出した。避難命令が出なかったため、地元住民は一生許容線量の10倍の放射能を受け、数十人がその後白血病で死亡した。現在の所白血病発生率は全国平均の3倍である。 当時のマクミラン政権が極秘にしていたが、30年後に公開された。なお、現在でも危険な状態にある。ヨード131 2万キュリーが工場周辺500平方キロを汚染し、ヨードの危険性を知らせたことで有名である。また水素爆発のおそれから注水に手間取った。これはスリーマイル島でも繰り返される。

1979年3月28日 スリーマイル島原子力発電所事故アメリカスリーマイル島原発の放射能漏れ事故。レベル5の事故であり、絶対安全とされていた原発の欠陥が明らかにされ、アメリカ政府は新規原発建設中止に追い込まれる。

1986年4月26日 チェルノブイリ原子力発電所事故ウクライナ共和国チェルノブイリ原発4号機が蒸気爆発を起こし、多量の核廃棄物が大気中に放出されたレベル7の深刻重大な事件。無許可での発電実験中、安全装置を切り制御棒をほとんど引き抜いたために出力が急上昇して起こった。核廃棄物は気流に乗って世界規模で被曝を齎した。直接の死亡者は作業員・救助隊員の数十名だけであるが、がんなどの疾病を含めると、数万から数十万にのぼるとされる。

旧ソ連原子力潜水艦

• 1961.7 ホテル級 一次冷却回路の圧力低下。10名死亡。

• 1968.5 ノベンバー級実験艦 液体金属冷却剤の硬化。9名死亡。燃料の20%損傷。
(この艦は前年の処女航海時にも凝固を経験)

• 1985夏 エコー2級 燃料棒交換中に原子炉が爆発

• 1986夏 エコー2級 一次冷却回路に別の元素が混入

• 1986夏 ビクター級 メルトダウンか?

• 1993  ?     燃料棒交換の際に使用済み燃料を入れてしまったため被爆者数名。 

日本

1999年9月30日 東海村JCO核燃料加工施設臨界事故:日本で初めて起こった臨界事故。レベル4。周辺の多数の住民が緊急避難を強いられた。事故原因は核燃料加工中間工程(UF6をUO2粉末に変換)を担うJCOの杜撰な作業工程管理である。硝酸ウラニル18.8%水溶液を不当に大量に貯蔵した容器の周りにある冷却水が反射剤となり臨界となり、中性子等が大量に発生した。事故は冷却水を抜き連鎖反応を止めることにより20時間後に収束した。
多量の放射線を浴びた作業員2人が死亡し、JCOは責任をとり解散した。管理側の事故隠し体制が明るみになり、原子力不信を招いた事件としても知られる。事故隠しのため救急隊員の2次被爆が起こった。

外部リンク

原子力百科事典 ATOMICA



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