媒介変数表示
媒介変数表示(ばいかいへんすうひょうじ)とは、
ユークリッド空間 Rn 上の
座標系 (
x1,...,
xn) に於いて、高々
n-1 個の助変数
t1 , ... ,
tn-1 を用いて各座標の値を個別に与えることによって、
曲線を決定する方法である。つまり、
-
という表示のことである。ここで、表示に用いられた助変数を特別に
媒介変数と呼ぶことがある。
陰関数で定義された曲線を、それと同値な媒介変数表示に直すとき、関数の相互関係を垣間見ることができる。例えば、次のような陰関数
-
は、広く知られているように
円を描く。これを媒介変数表示すれば、
-
となる。これは、sin
2x + cos
2x = 1 という相互関係によるものである。媒介変数表示による相互関係から、関数を定義する手法もある。
また、上の表示において
t ∈ [0,2π] とすれば十分であるが、このように、媒介変数の範囲を有限
区間 [
a,
b) に限定でき、かつ
t=
a と
t=
b の場合の座標が一致するような曲線を
閉曲線と呼ぶ。
座標変換
先程、媒介変数表示に用いる助変数の数は高々
n-1 個であったが、それに新たに助変数
k を加えることによって、次のような各座標の定義式を得る。
-
k を固定すればこれは通常の媒介変数表示と同値で、曲線を描くが、今
k が任意である以上、これは曲線ではなく領域を形成する。即ち、この表示は座標系 (
t1,...,
tn-1,
k) から座標系 (
x1,...,
xn) への
写像である。この写像は自分自身へ写すが、内部の座標系は換わっていることがわかる。このような写像を座標変換と呼ぶ。もし座標変換によって自分自身全体に移すことが出来なければ、逆変換できないような点も存在することになる。この点を座標系に於ける
特異点と呼ぶ。特異点の発見には
関数行列式を用いる。
例えば、
-
を媒介変数表示すれば
-
となるが、これは
極座標系 (
k,
t) から
直交座標系 (
x,
y) への座標変換である。