対位法
対位法(たいいほう)とは、音楽理論のひとつ。
複数の旋律が、互いによく調和して重ね合わさるような技術を研究する学問である。西洋音楽の理論の本質的な部分の大部分は、この対位法と深いかかわりがあり、数ある音楽理論の中でも最も基本的なもののひとつになっている。
歴史
種類
対位法は、教会旋法の音楽から現在私たちが日常的に耳にするような長調・短調の音楽までの音楽で使われてきている。当然、教会旋法の対位法と長調・短調の音楽の対位法とでは異なる部分がある。 教会旋法の音楽の対位法は、もっぱら声部間の音程の変化が重要な要素である。曲の冒頭から曲尾に向かって、協和音程、不協和音程をバランスよく織り交ぜながら最終的に協和して終わるのである。この中で、いかにそれぞれの声部の旋律が美しくあるかが求められ、できることならば、声部間で模倣し合うような旋律であることが望ましいとされる。その究極の形がフーガである。 長調・短調の音楽における対位法では、上記に和声的な要素が加わる。すなわち、和声の機能の考え方が加わり、調性が強く意識される。フーガも、和声や調性の緊張と弛緩の関係の中で進行する。
教本
ヨハン・ヨーゼフ・フックスが1725年に著したGradus ad Parnassum(パルナッソス山(芸術の山)への階段)は特に有名。原典はラテン語で書かれている。対位法を勉強する上で注意すべき規則が厳しく定められており、その規則に縛られながら対位法の課題をこなすことによって、正統的な対位法的感覚を身につけることができる。(したがって、実際の作曲に用いられるよりも非常に厳しい規則がしかれている。ゆえに、厳格対位法とも呼ばれる。)J.S.バッハの蔵書の中にも含まれ、またベートーヴェンらもこの教程書を使って対位法の勉強をしたと伝えられている。原典は邦訳も出されたものの、極めて入手が困難であり、現在ではさまざまな改作本が出版されている。 教会旋法による定旋律をもとに、以下の課題をニ声から八声で、それぞれバス課題、ソプラノ課題で行う。 第一類 1:1(全音符) 第二類 1:2(二分音符) 第三類 1:4(四分音符) 第四類 移勢 第五類 華麗(華彩)対位法 混合類 (三声から八声の課題で行う)