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反三位一体論

反三位一体論とは三位一体論に異議を唱える思想である。以下、引用聖句は主に『聖書 新共同訳』(日本聖書協会)である。

三位一体論を支持しないと反三位一体論者が根拠として挙げる聖句

• マタイ 24:36; マルコ 13:32:「その日、その時は、だれも知らない。天使たちも子も知らない。ただ、父だけがご存じである」(もし父と子と聖霊が同等であって、ひとりの神を構成しているのであれば、もちろんそうは言えないであろう。また、ある人々が示唆するように、もし、み子がその人性ゆえに知ることに限度があったとしても、なぜ聖霊は知らないのかという疑問が残る。)

• マタイ 20:20-23:「そのとき、ゼベダイの息子たちの母が……[イエスに]言った。『王座にお着きになるとき、この二人の息子が、一人はあなたの右に、一人は左に座れるとおっしゃってください。』イエスはお答えになった……『確かにあなたがたはわたしの杯を飲むことになる。しかし、わたしの右と左にだれが座るかは、わたしの決めることではない。それは、わたしの父によって定められた人々に許されるのだ。」(もし、ある人々が主張するように、イエスが全能者なる神であるとしたら、これは何と奇妙な言葉であろう。イエスはここでその「人性」にしたがって答えておられたにすぎないのだろうか。三位一体論者が言うように、もしイエスが本当に「神人」であって、神であると同時に人間であり、そのいずれか一方の存在でなかったとすれば、そのような説明の仕方は本当に首尾一貫しているであろうか。むしろ、マタイ 20章23節は、子が父とは同等でないこと、また父はある特権をご自身のために保持しておられることを示していないだろうか。)

• マタイ 12:31,32:「人が犯す罪や冒瀆は、どんなものでも赦されるが、"霊"に対する冒瀆は赦されない。人の子に言い逆らう者は赦される。しかし、聖霊に言い逆らう者は、この世でも後の世でも赦されることがない」(もし聖霊が人格的なもので、神であるとするならば、この句は三位一体の教理をきっぱりと否定していることになる。なぜなら、それは聖霊がある点でみ子よりも偉大であることを示しているからである。それとは逆に、イエスが言われた事は、「聖霊」の所有者である父は、人の子であるイエスよりも偉大な方であることを示している。)

• ヨハネ 14:28:「わたしを愛しているなら、わたしが父のもとに行くのを喜んでくれるはずだ。父はわたしよりも偉大な方だからである」

• 一コリ11:3:「ここであなたがたに知っておいてほしいのは、すべての男の頭はキリスト、女の頭は男、そしてキリストの頭は神であるということです」(ですから、明らかにキリストは神ではなく、神はキリストよりも上位の方である。また、この言葉はイエスが天に戻られてから22年ほどたった紀元55年ごろに書き記されたことにも注意すべきであろう。それで、ここで述べられている真理は、天におられる神とキリストの関係に当てはまるのである。)

• 一コリ15:27,28:「『神は、すべてをその足の下に服従させた』……すべてが服従させられたと言われたとき、すべてをキリストに服従させた方自身が、それに含まれていないことは、明らかです。すべてが御子に服従するとき、御子自身も、すべてをご自分に服従させてくださった方に服従されます。神がすべてにおいてすべてとなられるためである」

反三位一体論者の三位一体論者が好んで用いるとする聖句についての反論

• ヨハネ1:1,2:「初めに言(ことば)があった。言は神とともにあった。言は神であった。この言は、初めに神と共にあった」

この節のどの訳文が文脈と一致しているだろうか。ヨハネ 1章18節は、「いまだかつて、神を見た者はいない」と述べている。14節は、「言は肉となって、わたしたちの間に宿られた。わたしたちはその栄光を見た」と、はっきり述べている。また,1,2節は、その方が初めに「神と共に」おられたと述べている。ある方と共にいると同時に、その方であるということは可能であろうか。ヨハネ 17章3節でイエスはみ父に向かって「唯一まことの神[God]」と呼びかけておられる。ゆえに、イエスは「神[a god]」としてみ父の神聖な特質を反映しておられるにすぎない。

「神[a god]」という訳し方は、ギリシャ語文法の規則と調和しているだろうか。中には、問題のギリシャ語本文を、「言葉は神[God]であった」と訳さなければならないと強く主張する参考書もある。しかし、すべての参考書がこの点で一致しているわけではない。フィリップ・B・ハーナーは、『限定詞としての無冠詞叙述名詞:マルコ 15章39節およびヨハネ 1章1節』と題する自分の論文の中で次のように述べている。ヨハネ 1章1節にあるような、「無冠詞の述語が動詞に先行している[文節]は主として限定詞的意味を持つ。これは、ロゴスがテオスの特質を有していることを示しているのである」。そして、「恐らく、その節は、『言葉は神と同様の性質を有していた』と訳せる」ことを示唆した。(「聖書文献ジャーナル」誌,1973年,85,87ページ)ですから、この句の中で、二度目に出て来るテオスという言葉に定冠詞(ホ)が付されておらず、その言葉がギリシャ語の文の中で動詞の前に置かれているのは意味深いことである。興味深いことに、ヨハネ 1章1節を「言葉は神[God]であった」と訳すべきだと主張する翻訳者たちは、単数の無冠詞叙述名詞が動詞に先行している他の節を英訳する際、英語の不定冠詞(a,an)をためらわずに使っている。ゆえに、『エルサレム聖書』(英語)や『ジェームズ王欽定訳聖書』(英語)は共に、ヨハネ 6章70節でユダ・イスカリオテのことを「悪魔」(英文、a devil)と呼び、ヨハネ 9章17節ではイエスのことを「預言者」(a prophet)と述べているのである。

言葉を「神[a god]」と呼ぶことは、聖書の他の箇所に見られるこの語の用法と一致している。例えば、詩編 82編1‐6節では、イスラエルの人間の士師たちが「神々[gods]」(ヘブライ語、エローヒーム; ギリシャ語、テオイ、ヨハネ 10:34)と呼ばれている。なぜなら、そのような人たちは神の代表者であって、神の律法について語ることになっていたからである。

• ヨハネ8:58:「イエスは言われた。『はっきり言っておく。アブラハムが生まれる前から、「わたしはある(ギリシャ語、エゴーエイミ)」』」

いくつかの翻訳は『わたしはある』が称号であるとして、出エジプト記 3章14節と結び付けようとする努力が払われている。しかし、『新世界訳聖書』(ものみの塔聖書冊子協会)ではヨハネ 8章58節の後半の箇所は「アブラハムが存在する前からわたしはいるのです」と訳している。

どちらの訳し方が文脈と一致しているだろうか。イエスがお答えになったユダヤ人の質問(57節)は、イエスの実体ではなくて、年齢を取り上げたものであった。ゆえに当然、イエスはその答えの中でご自分の年齢、つまりご自分が存在してこられた期間を取り扱われた。興味深いことに、エゴー エイミという言葉を一つの称号として聖霊に当てはめようとする試みは一度もなされていない。

A・T・ロバートソンの著した、『歴史上の研究から考察したギリシャ語新約聖書の文法』と題する本はこう述べている。「動詞[エイミ]……時には[エゴー エイミ]の場合のように、他のすべての動詞と同様、述語として確かに存在を表すことがある(ヨハネ 8:58)」―テネシー州ナッシュビル、1934年、394ページ、英文。

• ローマ9:5: 「先祖たちも彼らのものであり、肉によればキリストも彼らから出られたのです。キリストは、万物の上におられる、永遠にほめたたえられる神、アーメン」

しかし、新世界訳のこの節の後半は次のとおりである。「キリストも、肉によれば、彼らから出たのです。すべてのものの上におられる神が永久にほめたたえられますように。アーメン」。

この節は、キリストが「万物の上に」、または「すべてのものの上に」おられ、またそれゆえにキリストは神であると述べているのであろうか。それとも、異なった別個の存在としての神とキリストとに言及し、神が「すべてのもの」の上におられると述べているのであろうか。ローマ 9章5節のどちらの訳し方がローマ 15章5,6節と一致するだろうか。この句はまず神とキリスト・イエスとを区別し、次いで、「わたしたちの主イエス・キリストの神であり、父である方をたたえ」ることを読者に勧めている。(また,コリント第二 1:3とエフェソス 1:3も参照。)ローマ 9章のつづきの部分を考慮してみよう。6‐13節までの箇所は、神の目的が肉による相続ではなく、神のご意志に基づいて成し遂げられることを示している。14‐18節は,出エジプト記 9章16節に記されているファラオに対する神の音信に言及し、神が万物の上に、つまりすべてのものの上におられることを強調している。19‐24節では、焼き物師と焼き物師が作る粘土の器を用いた類推によって神の優位性がさらに例証されている。ゆえに、5節(新世界訳)の「すべてのものの上におられる神が永久にほめたたえられますように。アーメン」という表現は適切なものである。

関連語句

• ユニタリアン • エホバの証人末日聖徒イエス・キリスト教会三位一体




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