山手線
東日本旅客鉄道が運営する鉄道路線の名称、若しくは同線を含み東京都区内で環状運転する近距離列車の運転系統の名称。(やまのてせん):ここで記述する。 神戸市交通局が運営する神戸市営地下鉄の路線の名称。(やまてせん):神戸市営地下鉄山手線を参照のこと。 現在の西日本旅客鉄道阪和線の南海鉄道時代の名称。(やまてせん):阪和電気鉄道、阪和線を参照のこと。
山手線(やまのてせん)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が運営する鉄道路線(幹線)の名称、若しくは同線を含み東京都区内で環状運転する近距離列車の運転系統の名称である。
「山手線」の名称には、次の3つの意味合いがある。 線路名称としての「山手線」:東京都港区の品川駅を起点に、渋谷駅、新宿駅、池袋駅を経由して北区の田端駅を結ぶ東日本旅客鉄道が運営する全長20.6kmの路線の名称。 運転系統としての「山手線」:上記(1)と東海道本線、東北本線の一部区間をあわせて東京都区内で環状運転を行う近距離列車の運転系統の名称(1周34.5km)。 運賃計算上の「山手線」:東京駅から101キロ~200キロまでに所在する駅に発着する乗車券の運賃計算上の名称。上記(2)の区間に加え、環状部内側にある中央本線御茶ノ水駅~千駄ヶ谷駅間を含む。東京山手線内を参照。
一般に山手線という場合、(2)の運転系統としての山手線を指す場合が多い。ラインカラーは黄緑色。
以後、本稿において特記のない場合は、運転系統としての山手線を指すものとする。
概観
戦前からの政策により、私鉄は山手線の内側に乗り入れることができなかったため、各私鉄は、山手線の各駅に隣接して都心側のターミナル駅を設置した。山手線の各駅は、都内交通への乗継ぎ・中継地となり、渋谷、新宿、池袋等、新都心として発展を遂げていったところもある。こうした新都心を相互に連結する山手線は、東京の交通網のハブとして機能しており、戦後、私鉄と地下鉄の相互直通運転が一般化し、郊外から電車が直接都心に乗り入れるようになっても、東京の交通網における山手線の地位は揺るぐことなく、むしろ重要性を増している。山手線は東京の主要地区を一周しているので、はじめて来た東京圏以外の地方出身者や外国人に東京の概略を案内するのに非常に便利。東京に慣れた人には暇つぶしや読書の場としても有効。毎夜酔客が降りる駅を乗り過ごして何周も廻るのも山手線ならではの光景。
運転・施設
運転系統の全線にわたって専用の複線(直流1500V電化)を有し、接続・並行する他系統から直接この複線に乗り入れる列車も存在しないため、列車の運行は他線区と完全に隔絶された独立のものとなっている。一度運用についた列車は、終日同方向への環状運転を行い、同様に環状運転を行う大阪環状線のように、直接他線区から乗り入れたり、途中駅で折り返して反対方向に運転される列車は存在しない。なお、ダイヤ上は大崎が分界駅となっており、山手線を一周した列車は、大崎駅で列車番号を変え、引き続き運転される。
また、他系統の線路が多数併設されており、実質的に山手線が緩行線、並行する他系統が快速線として機能している。多いところでは、山手線も合わせて6複線(12線)が並行するが、田端~東京~田町間で京浜東北線と方向別運転になる以外は、線路別の運転である。(「複々線」も参照されたい。)
並行する独立した線路を有する運転系統と区間(括弧内は、山手線と並行するものの連絡する駅施設がない駅) 京浜東北線 ~田端~東京~品川~ 東北本線(4線) 上野~(日暮里)~ 常磐線 上野~日暮里~ 東北新幹線 東京~上野~(田端)~ 中央快速線 東京~神田~ 東海道本線 東京~品川~ 横須賀線 ~東京~品川~ 東海道新幹線 東京~品川~
(通称)山手貨物線 ~品川~新宿~池袋~(田端)~ 湘南新宿ライン ~大崎~新宿~池袋~(田端)~ 埼京線 ~大崎~新宿~池袋~ 中央快速線 ~(代々木)~新宿~ 中央緩行線 ~代々木~新宿~ なお、各駅で連絡する鉄道路線については、本稿には記さない。各駅の記事を参照されたい。
運行方向について
山手線では環状運転を行うため、旅客案内上上り・下りではなく外回り・内回りという表現が用いられる(線路名称としての山手線には、当然ながら起点も終点も存在しており、起点から終点に向かうのが下り、その逆が上りである)。複線のうち、環状線の外側の線路を運行するものが外回り(新宿駅基準で池袋方面。時計回り)、内側の線路を運行するものが内回り(同じく渋谷方面。反時計回り)である。
また、アナウンスや電光掲示板では外回り・内回りではなく、至近の大きな駅2つを用いた「○○、××方面」という案内をすることもある。ほとんどの場合、○○や××に入る駅名は、東京、上野、池袋、新宿、渋谷、品川の6つである。例えば、渋谷駅では外回り電車を「新宿・池袋方面」、内回り電車を「品川・東京方面」と案内する。
なお、205系電車までは循環列車については「山手線 YAMAMOTE LINE」の方向幕を表示していたが、LEDによる行先表示器を採用したE231系電車では、区間に応じて主要駅の表示を切替え、日本語と英語を交互に表示している。但し、「大崎」行き・「池袋」行きなど1周しないで終着となる場合はE231系電車でもその電車の終着駅の表示のみがなされる。
- E231系電車の行先表示
歴史
もとは、東北線と東海道線を短絡する貨物主体の路線であったが、東京市街地の拡大にともない市街を巡る大都市の基幹交通路線に性格を変えていった。電車が運行を開始したのは1909年であるが、現在のように環状運転が実施されるようになったのは1925年のことである。 1885年3月1日 日本鉄道(品川線)赤羽~品川間開業 1903年4月1日 日本鉄道(豊島線)池袋~田端間開業 1906年11月1日 日本鉄道国有化 1909年10月12日 国有鉄道線路名称制定。山手線(やまのてせん)[東北線の部]赤羽~品川間、池袋~田端間、大崎~大井間(貨物線) 1909年12月16日 烏森(現在の新橋)~品川間電化。烏森~品川~新宿~上野、池袋~赤羽間に電車運転開始 1910年6月25日 烏森~有楽町間開業 1910年9月15日 有楽町~呉服橋仮駅間開業 1914年12月20日 東京駅開業。中央線と接続し中野~東京~品川~池袋~上野間で「『の』の字運転」開始 1925年11月1日 神田~上野間開通。山手線の環状運転開始 1956年11月19日 田端~田町間線増完成。京浜東北線と分離運転開始 1970年7月 国電山手線初の冷房車103系が投入 1971年3月7日 路線名の読みを「やまのてせん」に統一(後述) 1972年7月15日 線路区間表示等変更。山手線を東北線の部から東海道線の部に移し、品川~新宿~田端間とする。池袋~赤羽間は赤羽線に分離 1985年 国電初のステンレス通勤車両205系が山手線に登場 1987年4月1日 国鉄分割民営化により東日本旅客鉄道に承継 1988年 205系増備完了に従い、山手線初の冷房車103系が山手線から引退 2001年3月12日 みんなの地球をみんなで考えると題して「エコトレイン2001」というものが走った。4月20日まで、48番編成をエコトレインとして運転。両端の車両全面にステッカーが貼られた。 2001年12月1日 山手線で初めて『側面車体広告車』開始。 2002年4月 JR次世代形軽量高性能通勤車両E231系500番台が山手線にも登場 2005年xx月xx日 E231系500番台増備完了に従い、国電初のステンレス通勤車両205系が山手線から引退予定
路線名の読み方について
山手線の読み方は正式には「やまのてせん」であるが、かつては「やまてせん」という読み方も一般に行われていた。読み方が2通りあるのでは混乱を招くため、1971年3月7日に当時の国鉄は読み方を「やまのてせん」に統一すると発表した。電車に掲出される行先表示は、それ以前は「山手 YAMATE」であったが、以後「山手線 YAMANOTE LINE」に改められている。
駅一覧
| 大塚駅 - | 巣鴨駅 - | 駒込駅 |
| 池袋駅 | 田端駅 | |
| 目白駅 | 西日暮里駅 | |
| 高田馬場駅 | 日暮里駅 | |
| 新大久保駅 | 鶯谷駅 | |
| 新宿駅 | 上野駅 | |
| 代々木駅 | 御徒町駅 | |
| 原宿駅 | 秋葉原駅 | |
| 渋谷駅 | 神田駅 | |
| 恵比寿駅 | 東京駅 | |
| 目黒駅 | 有楽町駅 | |
| 五反田駅 | 新橋駅 | |
| 大崎駅 | 浜松町駅 | |
| 品川駅 | ※ | 田町駅 |
| 東北本線の区間 | 東海道本線の区間 |
山手貨物線
山手線・品川駅~田端駅間を並行して走る複線の通称である。各線から流入する貨物を別の線に中継する役目を果たした。1973年にバイパスとなる武蔵野線が開業すると、その役割はやや薄らいだが、依然として多数の貨物列車が通過していた。貨物列車の他は、まれに臨時旅客列車が通過する程度であったが、1986年以降埼京線や宇都宮線・高崎線の乗入れ、湘南新宿ラインの運行など、郊外と新都心を直結するルートとして活用されている。(詳しい状況については、各線の記事を参照されたい。) 1919年12月20日 品川~大崎間開業 1920年1月28日 大崎~恵比寿間開業 1921年7月15日 恵比寿~渋谷間開業 1922年7月25日 渋谷~原宿間間開業 1924年12月5日 原宿~新大久保間開業 1924年9月11日 新大久保~池袋間開業 1924年12月28日 池袋~巣鴨間開業 1925年3月28日 巣鴨~田端間開業
車両
2002年4月-現在(今後の主力)E231系500番台 1985年-現在(2005年まで)205系 1970年7月-1988年 103系
関連項目
赤羽線 柳亭痴楽「恋の山手線」 山手線ゲーム 東京山手線内