北村薫
北村 薫(きたむら かおる、1949年12月28日 - )は日本の小説家、推理作家。 埼玉県生まれ。本名は宮本 和男。早稲田大学第一文学部卒。
経歴
卒業後、高校の国語教師をしながら、1989年覆面作家として『空飛ぶ馬』でデビュー。1991年に『夜の蝉』で第44回日本推理作家協会賞(連作短篇集賞)を受賞。推理小説の執筆だけではなく、推理小説に関する評論やエッセイも多い。また、鮎川哲也の短編集の編集を行なったり、自らアンソロジーを編んだりと、編集の分野でも活動している。
覆面作家時代
また、覆面作家としてのデビューということで、デビュー当時はその正体がいろいろと推理された。デビュー作『空飛ぶ馬』から始まる一連の円紫さんシリーズの主人公である「私」(名前は明かされていない)が女子大生であり、文章や視点なども女子大生を髣髴させるものがあるということで、作者もまた女子大生なのではないかという説が有力視されていた。『夜の蝉』で日本推理作家協会賞を受賞した際に自らの素性を明らかにした。
評価と位置づけ
北村薫の作品は日常の謎に分類される。これは、日常の些細な謎や疑問を明快な論理で解決するという種類の推理小説である。彼の登場により、殺人事件の解決だけが推理小説ではないという認識が広まった。この分野に分類される他の作家に加納朋子らがいる。
作品
注意: ウィキペディアにはネタバレがあります円紫さんシリーズ
『空飛ぶ馬』 - デビュー作 織部の霊/砂糖合戦/胡桃の中の鳥/赤頭巾/空飛ぶ馬 『夜の蝉』 朧夜の底/六月の花嫁/夜の蝉 『秋の花』 - 初の長編作品 『六の宮の姫君』 『朝霧』 山眠る/走り来るもの/朝霧 大学で日本文学を学ぶ《私》は、恩師が同じであるという縁からファンであった落語家・春桜亭円紫と知遇を得る。知り合った席で話に出た恩師の不思議な体験について明快で合理的な説明を付けた円紫に対し、《私》はそれからもたびたび自らの身の回りで起こった疑問・謎を円紫に示す。時に円紫は自らそれを解決し、時に《私》にヒントを与えて《私》自身による解決を促す。シリーズ開始当初に大学2年生であった《私》が進行とともに時を重ね、成長していく成長小説の要素もあわせ持つシリーズである。
覆面作家シリーズ
『覆面作家は二人いる』 覆面作家のクリスマス/眠る覆面作家/覆面作家は二人いる 『覆面作家の愛の歌』 覆面作家のお茶の会/覆面作家と溶ける男/覆面作家の愛の歌 『覆面作家の夢の家』 覆面作家と謎の写真/覆面作家、目白を呼ぶ/覆面作家の夢の家 出版社で推理小説雑誌の編集部に勤める岡部良介は、覆面作家としてデビューした新人作家を担当することになる。その新人作家である新妻千秋は大富豪の一人娘で、家では内向的でおとなしい性格だが、一歩家の外へ出ると社交的で活発な人格に変わるという別の一面があった。岡部良介が持ち込む身の回りの事件を、新妻千秋が解決するシリーズである。
時と人 三部作
『スキップ』 17歳、高校2年生の一ノ瀬真理子は、文化祭の日の夕方、昼寝から目覚めると自分が25年後の世界にいて、夫も子どももいる境遇におかれていることを知る。失われた年月の大きさを思いながら、それでも前向きに生きていこうと真理子は決意する。 『ターン』 メゾチント画家の森真希は、ある日交通事故に遭う、気づくと事故の一日前の世界に戻っていた。その世界では他に人間を含め生物は何もおらず、一日経って事故の時間になると、やはり元の一日前の世界に戻ってしまう。自らの行動に意味を見いだしにくい日々を過ごす真希のもとに、ある日電話がかかってくる。 『リセット』 太平洋戦争の末期、芦屋に暮らす水原真澄は、友人の従兄の結城修一に恋をするが、戦時下であるという状況から、互いに互いを想い合っていたにもかかわらず、恋は実らず、修一は空襲により死亡する。戦後、東京で出版社に勤めるようになった真澄は、そこで修一の面影を残す村上和彦という少年に出会う。
その他の小説
『冬のオペラ』 三角の水/蘭と韋駄天/冬のオペラ 『水に眠る』 - 短編集 『月の砂漠をさばさばと』 『盤上の敵』 『街の灯』 虚栄の市/銀座八丁/街の灯 『語り女たち』
評論・エッセイ
『謎物語 -あるいは物語の謎-』 『ミステリは万華鏡』 『詩歌の待ち伏せ』