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地理情報システム

地理情報システム(ちりじょうほうしすてむ) (GIS, Geographic Information System) は、コンピュータ上に地図情報やさまざまな付加情報をもたせ、作成・保存・利用・管理し、地理情報を参照できるように表示機能をもったシステム。人工衛星、現地踏査などから得られたデータを、空間、時間の面から分析・編集することができ、科学的調査、土地、施設や道路などの地理情報の管理、都市計画などに利用される。

コンピュータの発展にともなって膨大なデータの扱いが容易になり、リアルタイムでデータを編集(リアルタイム・マッピング)したり、シミュレーションを行ったり、時系列のデータを表現するなど、従来の紙面上の地図では実現不可能であった高度な利用が可能になってきている。

歴史

1950年代ワシントン大学で研究が始まった。わが国では昭和50年代から研究が始まっている。

データ

データ形式

地理情報システムで使われるデータは多岐に渡っている。大きく分類すると、地図や衛星写真、航空写真などの図形情報、地物に関連する属性情報、使用している座標系や縮尺、精度などのメタ情報などに大別される。

図形情報は、大きく分けてラスターデータとベクターデータがある。ラスターデータは、航空写真や衛星写真などのリモートセンシング技術による写真などの画像や、地図などをスキャニングした画像などのデータである。写真の場合はそのままでは位置によってずれが生じるため、空中三角測量法にもとづいた幾何学補正処理を行う。このため、オルソ画像ともいう。

ベクターデータは、測量や地図のトレース、CADデータなどからの変換によって得られる。座標系に関しては、これまでわが国では主に日本測地系が使われてきたが、今平成14年4月1日付で施行された改正測量法規の発効により、世界測地系に基づく日本測地系2000(Japanese Geodetic Datum 2000)へ移行しつつある。

地理情報標準は、わが国ではJIS化されたG-XML、国際的にはISO化されたGMLがある。このダブルスタンダード化による弊害が懸念され、統合化を働きかけている。

クリアリングハウス

地理情報システム(GIS)の分野では、インターネットなどの通信ネットワークを活用した地理的情報の流通機構全体を指す。日本では、提供可能なデータを所有している先行省庁によるクリアリングハウスの構築及び運用を行うこととされているため、国土地理院などがクリアリングハウス、ノードサーバーの構築、メタデータの整備などの技術支援を関係省庁に行っている。

主な機能

GISの主な機能を概略すると、地図の表示機能、図形の作成・編集機能、属性の作成・編集機能、検索機能、空間解析機能、主題図作成機能、印刷機能などがある。

地図の表示

GISの最も基本的な機能は地図を表示することである。現在のシステムではさらに、縮尺の指定、地図の移動や回転、地図の重ね合わせなどの高度な機能も兼ね備えている。縮尺については、現在のコンピュータはモニターや解像度などの問題から正確性を欠いている。

GISの縮尺は、一般的に、他のシステムの図形表示よりも縮尺の幅が広い。対応している縮尺はシステムによって異なるが、通常の地図の縮尺よりも広範囲にとることもできる。

表示された地図は上下左右に移動したり、回転させることができるものもある。

地図の重ね合わせは紙の地図では時間がかかった処理を大幅に短縮することが可能になった。この機能により、様々な空間情報の相関関係が目に見えるようになった。また、重ね合わせるだけではなく横などに並べて表示するシステムもある。

図形の作成・編集機能

一般的な図形作成プログラムと同様に、様々なベクターデータをマウスやキーボードを用いて描いたり、ラスターデータを取り込んだりすることができる。

GISに特徴的なデータとして、シンボルとラインシンボルがある。これは、地図記号などを表現するために用いられる。シンボルは点であるが、ラインシンボルは線路など線の地図記号に使われる。

属性の作成・編集機能

ひとつの図形はひとつ、または複数の属性データに関連付けられることがある。現在の大規模なGISでは、属性データはリレーショナルデータベースで管理されることが多い。

検索機能

住所や属性情報から地図上の位置を特定する。

空間解析機能

バッファ機能と呼ばれる、指定した距離や属性から範囲や領域を検索したり、ネットワーク解析とよばれる、道路やパイプラインなどのネットワーク構造の空間データから最短探索や隣接解析を行う機能がある。

• 面復元 • 最短経路探索 • ボロノイ図作成

主題図作成機能

特定の目的を持って作られた地図のことを主題図という。 例えば、土地の利用状況を知りたいときに、土地を地目別に色塗り表示した地図。

印刷およびコピー機能

• 印刷 • 範囲指定印刷 • 縮尺指定印刷 • クリップボードへのコピー

GISの応用

GISは研究や軍事利用から始まったが、現在では民間企業や政府、教育などで広く使われている。

日本における政策

2002年に小泉内閣の下で作成された e-Japan重点計画 - 2002では、地理情報システム(GIS)の推進が盛り込まれた。国土地理院では、数値地図の電子化などのクリアリングハウス(検索システム)、GISを推進するための情報やサンプルアプリケーションをウェブサイトで公開する「電子国土ポータル」を運営している。

参考

関連項目

数値地図

外部リンク

Open GIS ConsortiumFreeGIS: フリーソフトウェアやデータ等 • G-XML国土交通省 GIS ホームページGRASSQGISGLOBALBASE

文献

• 柴崎亮介『地理情報システム(GIS)入門―GISに強くなるための24章―』(日本測量協会1995)



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