地熱発電
地熱発電(ちねつはつでん、じねつはつでん、Geothermal power)とは、地熱を用いて行う発電のことである。多くは地熱の熱エネルギーによって発生する水蒸気(天然蒸気の場合と、高温の熱水から蒸気を得る場合がある)により蒸気タービンを回す方法で機械的エネルギーに変換して、発電機を駆動して電気を得る。
1904年にイタリアのラルデレロにつくられたものが世界で最初の地熱発電所である。日本では1919年に海軍中将・山内万寿治が大分県別府で地熱用噴気孔の掘削に成功、これを引き継いだ東京電灯研究所長・太刀川平治が1925年に出力1.12kWの実験発電に成功したのが最初の地熱発電とされる。実用地熱発電所は岩手県松尾村の松川地熱発電所が1966年10月8日に運転を開始したのが最初である。
地熱発電は燃料を必要としないが、探査・開発に多大な費用を必要とする上、探査した結果地熱利用がかなわない場合もあるというリスクもあるため、発電コストは火力に比べ平均で2割ほど割高となる。しかし太陽光発電・風力発電に比べ24時間365日安定してエネルギーを生み出す地熱発電は、自然エネルギーの中では非常にすぐれた発電方法であるといえる。
2003年末の世界の地熱発電設備容量の合計は8,402MWである。国別首位はアメリカ合衆国(2,020MW)で、このうち約9割がカリフォルニア州に集中している。他にネバダ州、ユタ州、ハワイ州で地熱発電が行われているが、連邦エネルギー省では西部・南部の州で地熱エネルギー開発を進め、2006年までには地熱発電所のある州を8州にまで増やす計画である。アメリカに次いで発電容量が多いのは火山国フィリピン(1,931MW)。フィリピンは国内総発電量の約4分の1を地熱でまかなう「地熱発電大国」である。
日本の地熱発電の総容量はおよそ561MW、これは世界で5位にあたる。火山も多く、地熱開発の技術水準も高い日本で地熱発電がそれほど盛んでないのは、候補地となりうる場所の多くが国立公園や国定公園に指定されていたり、温泉観光地となっていたりするため、景観を損なう発電所建設に理解を得にくいことも一因となっている。