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尊皇論

尊皇論(そんのうろん)は、江戸中期から武士や豪農といった知識層のあいだにひろがった思想で、日本の天皇を尊ぶことを眼目とする。

江戸時代徳川幕府朱子学を支配原理として採用した結果、儒教思想が日本人の間に定着した。当初、儒教的秩序を幕府は自ら進んで重視することにより、幕藩体制の思想的支えとすることを狙った。しかし、それを受けて研究が始まった水戸学]や古学の影響をうけて展開した国学などの台頭を伴って、古代以来の日本の最高権威であった天皇を重視する考えが生まれてきた。また、江戸時代における儒教思想の日本への定着はすなわち、中華思想(華夷思想)の日本への定着を意味し、近代の皇国史観などに影響を与え、日本版中華思想ともいうべきものの下地となった。日本をさして中国と呼ぶなどの例はそれを示している。幕末期に至って、従来は同じく中国思想であったものが日本化した攘夷論とむすびつき、幕府や幕藩体制を批判する先鋭な政治思想へと展開していく素地のひとつとなる。

江戸期における天皇陵の修復は、この尊王論を背景にしている。また、それぞれの藩の藩祖などを皇族に結びつける動きも活発となった。

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