女衒
女衒(ぜげん)は、主に若い女性を買い付け遊郭などで性風俗関係の仕事を強制的にさせる人身売買の仲介業である。歴史は古く古代からこのような職業が存在していたと考えられ、現在でも海外では半ば公然と行われているところもある。
歴史
近世
江戸時代の女衒は、身売りの仲介業として生計を立てていた。地方の女衒が貧しい家の親や兄や叔父などから若い女性を買い都会の女衒に売り、都会の女衒はその女性を遊郭などに売った。女性は10代前半で売られていたようだ。彼らは身売りの仲介だけではなく、誘拐などで女性を集めたという事実もある。
だが女衒は、先祖末代までえた・ひにんとされた女性にとっては、唯一の差別を抹消できる方法でもあった。女衒を回りに回れば、いつしか出世がわからなくなる。そして遊郭に売られ無事に出てくることが出来れば、町人になることが出来た。
江戸の女衒は、現在の東京都の台東区と荒川区をまたにかける山谷地区に多く点在していた。
近代
明治時代に人身売買禁止法が制定され女衒は消えたかというと、それは表向きの話で実際はそのようなことはなかった。貧しい家では女衒により売買が続行され、娼婦として売り飛ばされていった。大正、昭和の日本では内地(本土)の女性以外にも日本領朝鮮や台湾から女性を連れだし、女衒の仲介を経て慰安婦にされたり、遊郭に売られたりした。(これに関しては、強制であったのか、あるいは高額の金を条件に本人や親の承諾があったのかは定かになっていない)
このような行為は戦後まで続くが、戦後には政府が娼婦を廃止すると、それと同時に女衒も自然消滅した、とされている。