夜行列車
夜行列車(やこうれっしゃ)とは、夜間から翌朝にまたがって運転される旅客列車である。その性格上、長距離を運転される。
特徴
夜行列車の最大のメリットは、深夜という非有効時間帯を利用して目的地に移動できることにある。そのため、他の競合交通機関の最終便より遅く出発し、初発便より早く目的地に到着する設定の場合、最もその効果を発揮する。
日本
1970年代前半(昭和40年代)頃までの、新幹線や国内航空路線、高速道路網などが未発達な時代には、長距離の都市間を結ぶ主要な交通手段として活用されていたが、現在では、速度(所要時間)面で新幹線・飛行機といった交通機関に押され、運賃面においては高速バスと競合する状態にある。これは荷物輸送にも当てはまり、1980年代までは新聞の朝刊を輸送する目的の夜行普通列車が主な幹線に設定されていたが、現在この任務は高速道路を走るトラックに取って代わられた。
現状
現在運行している大半の夜行列車には、寝台車が連結されている。これは、夜間に長距離にわたって運転される夜行列車の性格上当然のことといえよう。しかし、寝台料金は一般のビジネスホテルの設備・料金に比して高額な設定(現今の主力である2段式B寝台で6300円、A寝台の下段で10500円)であり、夜行列車が敬遠される原因ともなっている。
これに対応して近年JR各社は、寝台の個室化や女性専用車の連結によるプライバシーへの配慮を図って質的改善を進めている。
一部の列車では、グリーン車に匹敵する設備を普通車扱いで安価に提供するサービスが行われ、利用者の選択肢を広げている。
例として、以下のものがある。(カギ括弧内は名称。括弧内は連結列車。)
「レガートシート」(なは・あかつき)
「ドリームカー」(はまなす)
また、寝台ではないが横臥できる設備を普通車扱いで提供する例も現れている(寝台車参照)。
一方、「北斗星」や「カシオペア」、「トワイライトエクスプレス」のように、個室寝台を基本とし、食堂車ではディナーが提供されるなど、豪華な設備を誇るものがある。これらは、移動の手段としてだけではなく、その列車に乗車すること自体が目的とされる一種の「リゾート列車」であり、本来の夜行列車の存在意義からはやや離れたものといえる。
かつては普通(快速)列車にも寝台車が連結されるものがあったが、1985年(昭和60年)までに全廃されており、現在運転されている夜行快速列車は、座席車のみである。定期列車は2系統のみ(「ムーンライトえちご」「ムーンライトながら」)であるが、安価な移動手段として人気があり、4月末から5月初めにかけての大型連休(ゴールデンウィーク)や、普通(快速)列車乗り放題の「青春18きっぷ」が発売される夏休み、冬休みの時期には、各方面に臨時列車として多数設定されている。
日本の夜行列車
本稿での記号は以下の通り。 [特]:特急 [急]:急行 [快]:快速 [臨]:臨時列車
北海道内
まりも[特] 利尻[特] オホーツク9・10号[特]
青森~北海道
はまなす[急]
東京方面~北海道・東北方面
北斗星[特] 夢空間北斗星[特][臨] カシオペア[特] あけぼの[特] エルム[特][臨] ムーンライト東京[快][臨]
東京方面~信越方面
ムーンライトえちご[快] ムーンライト信州[快][臨]
大阪方面~北海道・東北方面
トワイライトエクスプレス[特] 日本海[特]
東京方面~北陸方面
北陸[特] 能登[急]
大阪方面~長野・北陸方面
ちくま[急][臨] きたぐに[急]
東海道本線
銀河[急] ムーンライトながら[快]
東京~山陽・九州方面
富士[特] さくら[特] はやぶさ[特] あさかぜ[特] サンライズゆめ[特][臨]
大阪方面~山陽・九州方面
なは[特] 彗星[特] あかつき[特] ムーンライト九州[快][臨] ムーンライト山陽[快][臨]
東京・大阪方面~山陰・四国方面
出雲[特] サンライズ出雲[特] サンライズ瀬戸[特] だいせん[急] ムーンライト松山[快][臨] ムーンライト高知[快][臨] ムーンライト八重垣[快][臨]
九州内
ドリームにちりん[特]
私鉄
尾瀬夜行・スノーパル[急][臨]