印象派
印象派 (いんしょうは、仏:Impressionnistes) または印象主義 (いんしょうしゅぎ、仏:Impressionnisme) は、19世紀後半のフランスに発し、ヨーロッパやアメリカのみならず日本にまで波及した美術の一大運動である。1874年にパリで行われたグループ展を契機に、多くの画家がこれに賛同して広まった。また、「印象派」・「印象主義」の概念は、音楽の世界にも適用される。
美術
1874年にモネ、ドガ、ルノワール、セザンヌ、ピサロ、モリゾ、ギヨマン、シスレーらが私的に開催した展示会は、後に第1回印象派展と呼ばれるようになる。当時この展示会は社会に全く受け入れられず、印象派の名前はこのときモネが発表した『印象、日の出(Impression, soleil levant)』から新聞記者が揶揄してつけたものである。このときを印象派の成立としているが、これ以前にもウィリアム・ターナー(イギリス)の様に印象派に通じる画風や、バルビゾン派など屋外の風景を多く描いた印象派前夜と呼び得る画家達も存在している。また、後にはスーラ、ゴッホ、ポール・ゴーギャンなどのポスト印象派、新印象派へと続くものとなった。
印象派絵画の技法
印象派絵画の大きな特徴は、光の動き、変化の質感をいかに絵画で表現するかに重きを置いていることである。時にはある瞬間の変化を強調して表現することもあった。それまでの絵画と比べて絵全体が明るく、色彩に富んでいる。また当時主流だった写実主義などの細かいタッチと異なり、荒々しい筆致が多く、絵画中に明確な線が見られないことも大きな特徴である。
印象派画家の一覧
クロード・モネ エドガー・ドガ カミーユ・ピサロ エドゥアール・マネ ポール・セザンヌ オーギュスト・ルノワール
音楽
先述のように「印象派」は音楽史にも適用され、一般に19世紀末から20世紀初頭にかけての、ドビュッシーやラヴェルといった作曲家たちの音楽を指す。しかし最近では、音楽という自然主義と相容れない芸術における「印象主義」の語の曖昧さ、また特にドビュッシーが象徴主義思潮に強く影響を受けていたことから、むしろ象徴主義の流れとして、世紀末芸術の文脈の中で考えられるようになっている。ドビュッシー自身が「印象派」という範疇化を嫌悪していたことも、忘れてはならない。
印象派音楽では、それまでにワーグナーやリストによって展開されていた機能和声の崩壊を推し進め、また形式を崩し構造を断片化し、一方で全音音階・教会旋法・五音音階の多用による旋法性を基盤に、新たな音楽の確立を目指し、20世紀以降の音楽に多大な影響を与えた。対位法の欠如といった属性も見逃せない。