摂動
摂動 (Perturbation): 天体の運行において、月と地球、太陽と地球などを扱う二体問題は厳密に解くことが可能であるが、三体以上の多体問題を厳密に解くことは不可能である。ただ、月と地球、太陽と地球の問題では他の天体からの引力による相互作用の効果は非常に小さいとして、これら二体問題に他の天体からの効果を近似的に補正項として考慮することによっても十分精度の高い計算結果を得ることができる。この近似手法が摂動である。(古典力学での摂動の詳細:まだ空白)量子力学においても摂動は重要な近似手法である。
(時間に依存せず、縮退のない場合)
無摂動部分(無摂動項)のハミルトニアンをH0とし、摂動部分(摂動項)をH'とすると、全体のハミルトニアンHは、
となる。この時、ゼロ次(無摂動項)のハミルトニアンH0は、対応するn番目の固有関数(波動関数)をΨn(0)、固有値(固有エネルギー)をεn(0)として、
であり、ハミルトニアンHは、対応するn番目の固有関数をΨn、固有値をεnとして、
となる。そして、一次の摂動エネルギーは、
となり(|Ψn(0) > = |n >とする)、二次の摂動エネルギーは、
であり(Σ’の”’”は、m ≠ n を意味する)、更に一次の摂動波動関数は、
から(ここで、i ≠ n)、
となる。
(求め方)
以上は、H'をλVとし、λは微小な係数として、Ψn、εnをλに関して、
とべき級数展開して、
に代入し、各次数(λ1、λ2、・・・)の項同士の比較から、各次数の摂動エネルギー、摂動波動関数が求まる。念のため、λ<n|V|n> = <n|λV|n> = <n|H'|n>である(他の項も同様)。
(縮退のある場合)
固有値が縮退している場合は、i ≠ n、m ≠ nの場合でもεi = εn、εm = εnとなる場合が存在し、この場合上式二次摂動エネルギーや、一次の摂動波動関数の係数の分母部分が零となり発散してしまう。従って、縮退のある場合には、このような発散を回避する手段を施す必要がある(参照→ほとんど自由な電子)。
摂動は普通、一次の項まで考慮すれば十分であるが、より高次な項を考える必要がある場合も多い(例:近藤効果は摂動の二次の項まで考慮しないと説明できない)。
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物理学