暴力団
暴力団(ぼうりょくだん)は、組織された暴力を背景に金品の利益などの私的な目的を達成しようとする反社会的な日本の集団。 暴力団自身は任侠団体などと自称している。創設者の姓名や拠点とする地名などに「組」、「会」、「一家」、「興業」、「連合」などを添えた団体名を名乗る場合が多い。 「シノギ」と呼ばれる資金獲得行為には、みかじめ料・用心棒料徴収などの恐喝行為、売春の斡旋、覚醒剤や麻薬などの薬物取り引き、賭博開帳、ヤミ金融などの非合法な経済活動を行っていることが多い。 刺青、指詰めなどの特殊な文化を持つ。 構成員は「ヤクザ」、「極道」、「不良」などと呼ばれる。 「893」は「ヤクザ」をゴロ合せした数字で直接的表現を避ける場合に使われる。 「極道」は自らを美称する呼び名である。
組織
一般に、代表者・組長(会長、総長、総裁などとも)と構成員・組員とは、盃事と呼ばれる儀式を経ることによって強い絆で結ばれる。 組員は、組長から見て弟分(舎弟)と子分(若中、若衆など)の2つに大別される。 親分(組長)に対して弟分と子分が絶対的に服従する家父長制を模した序列的・擬制的血縁関係を構築することによって、暴力団は強固な結合を確実なものにする。 1次団体の組員も、自らを組長とする2次団体を組織する。 2次団体の組員もまた、自らを組長とする3次団体を組織する。 これを繰り返すことによって暴力団はピラミッド型の階層構造を形成する。 日本最大の勢力を誇る山口組の場合には、5次団体までの存在が確認されている。 各階層の団体において、当該組長と盃を交わした組員を特に直参と言う。 直参より下の下部団体組員について、暴力団側は“上部団体とは関係のない者”と主張しているが、外部社会からは“上部団体の統制下にあり、上部団体組長の指揮監督下にある者”と見られており、損害賠償請求訴訟でも上部団体組長の使用者責任を認める判決が出されてきた。組長が引退したり死亡した場合には、組員の中から新たな組長が決められる。 個々の組織の状況にもよるが、長男に当たる第一の子分(若頭、若中頭、若者頭、理事長など)が選ばれる場合が多い。 新たな組長が就任すると、他の組員との間で盃直しと呼ばれる儀式が行われ、新たな序列に基づく擬制的血縁関係が再構築される。 先代組長が跡目を指名しなかった場合には、組員同士の話し合いや入れ札(投票)で決められる。 跡目選定を巡る内部対立から組織分裂に到った例としては、山口組からの一和会の分裂が挙げられる。
暴力団は組員から、一定額の会費を集め運営経費に充てる。 また、義理掛けなどの慶弔費も これとは別に徴収する。
歴史と区分
江戸時代の火消しから始まったという説がある。 祭りを取り仕切る者を的屋(テキ屋、香具師)と呼び、丁半博打などの博打を生業とする者を博徒と呼ぶ。 一般人は、的屋も博徒も同じ「暴力団」と見なしているのが現状。 第二次世界大戦後の混乱の中で形成された愚連隊などの不良集団からも暴力団は誕生した。 その後、日本の急速な経済復興に伴い港湾荷役、芸能興行など合法的な経済活動にのみ従事する「企業舎弟」も生まれた。
暴力団対策法
1992年3月に施行された「暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律」(1991年(平成3年)法律第77号。 通称、暴力団対策法・暴対法)は、暴力団を、「その団体の構成員(その団体の構成団体の構成員を含む。)が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」と定義する(第2条)。
指定暴力団
都道府県公安委員会は、暴力団対策法第3条の条件に該当する暴力団を指定暴力団として指定できる。 2004年6月現在の指定暴力団は、以下の24団体。 五代目山口組 稲川会 住吉会 四代目工藤會 三代目旭琉会 沖縄旭琉会 五代目会津小鉄会 五代目共政会 六代目合田一家 四代目小桜一家 三代目浅野組 道仁会 親和会 双愛会 三代目侠道会 太州会 七代目酒梅組 極東桜井總家連合会 極東会 東組 松葉会 國粹会 中野会 二代目福博会
非指定団体
飯島会 姉ヶ崎連合会 中国高木会 會津家会 杉東会 丁字家会 醍醐宗家大田会 花又会 飴徳連合会 東京安田会
関連項目
暴力団一覧 民事介入暴力 企業対象暴力 行政対象暴力 任侠
外部リンク
暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律 (総務省 法令データ提供システム) 指定暴力団の指定の状況 (全国暴力追放運動推進センター) 全国暴力追放運動推進センター