日出処の天子
日出処の天子は、聖徳太子(厩戸皇子)を主人公とする山岸凉子作の漫画作品である。 聖徳太子の少年時代から、摂政になるまでを描く。白泉社の月刊少女マンガ雑誌『LaLa』に連載された。聖徳太子には、一般に知られている話とは別に、「聖徳太子伝暦」などに残された、超能力を持っているとでもしなければ説明できない話が存在する。このような話は、通常単なる「お話」として受け取られるだけであるが、当「日出処の天子」では、これらを積極的に採用し、天才かつ超能力の持ち主で、母親に怖れられて受け入れられず、数々の欠点に悩むという、斬新な聖徳太子像を描き出している。
話は、聖徳太子と蘇我毛人(蘇我蝦夷)を中心に展開する。聖徳太子と毛人は、彼ら自身にもわからない理由で惹かれあい、この理由を問う形で話が発展していく。
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表面的には、飛鳥時代を背景に、政治的策謀をめぐらす聖徳太子に毛人をはじめとする蘇我家の人々や、崇峻天皇・推古天皇らが翻弄される形で話が進んでいく。毛人は太子を信頼するが、太子は毛人を信頼しきることができない。太子は毛人に同性愛的な感情をも抱くが、毛人はこれを受け入れず、石上神社の巫女であった布都姫に惹かれていく。太子はこれを好まず策謀をめぐらして布都姫を退けようとするが、毛人に気づかれ、いままでの諸事に太子の策略があったことを知った毛人の心は太子から離れる。作品は毛人に退けられた厩戸皇子が孤独のなかに残されるところで終わる。