中学入試
日本では義務教育制度があるため、学齢期の日本人であれば誰でも中学校までの就学が公的に保証されているが、市区町村立中学(以下、公立中学と表記)はその教育レベルなどの面で必ずしも十分な評価を得ているとは言えず、高校や大学への進学実績も振るわないことから、独自のカリキュラムを打ち出す国立中学、私立中学、中等教育学校の人気が高い。
これらの学校は公立中学と異なり、入学希望者に学力試験を課し、その入学試験の結果によって合格者のみを入学させる。また、国立中学では学科試験のほかに抽選もある。
中学入試(ちゅうがくにゅうし)とは、この試験のこと。また、この試験通過を目指した活動も含めて中学受験(ちゅうがくじゅけん)という。
全貌
高校入試、大学入試と異なり、中学入試は失敗しても必ず公立中学という受け皿があるため、基本的には浪人という概念はない。ただし、一部の中学校では過年度生(浪人生)や他校在籍生の入学を認めている場合もある。また、そもそも必ずしも受験しなければいけないものではなく、小学6年生の全員が受けるわけではない。しかし、就職難の時代にあって学歴や能力のニーズは高まる一方であり、少子化にも関わらず中学入試の人気は衰えるどころか活発化・競争激化の一方である。
私立中学は700校あるが、東京都179校、神奈川県62校、埼玉県20校、千葉県23校、大阪府63校、兵庫県39校、京都府24校と、首都圏と阪神圏に集中しているため、それらの地域で中学受験が盛んである。地域によっては小学校の生徒の大部分が受験するため、それらの地域の公立中学が大幅な定員割れとなることもある。なお国立中学は私立中学ほど東京に集中しておらず、各都道府県に分散しているが、上記地域では私立中学と同様に人気が高い。
以前は私立中学には主に裕福な家庭の子女が通っていたが、近年になってゆとり教育や学級崩壊などへの危機感から、経済的に厳しい家庭でも中学受験が広まりつつあり、私立中学側も費用を安くする傾向にある。また国立中学はほとんど学費が掛からないので人気が高く、応募者が多すぎる場合は抽選をする。
中学受験のための学習塾通いで小学校を軽視する、遊ぶ時間が削られるなど子供の生活・成長が蝕まれているとの批判は絶えない。その一方で、中高一貫教育校へ入学することで思春期を高校受験に振り回されずに過ごすことができるというメリットもまた指摘されている。中学受験のための代表的な塾としては、四谷大塚(関東)、日能研(関東・関西)、SAPIX(関東)、浜学園(関西)、希(のぞみ)学園(関西)などがある。以前に有名だった日本進学教室は四谷大塚に負けて倒産した。
中学受験での偏差値は、模試を受けるのが小学生のうち受験意欲がある層に限られるため、高校受験や大学受験時の偏差値と比べて低く出る傾向がある。このため、中学受験時の偏差値が40程度の生徒が、高校や大学の受験時に偏差値50以上の学校に入学するようなことも多い。キリスト教系の学校では、日曜礼拝の関係で、例年の受験日が日曜になった場合に受験日をずらすことが多く、これによって志願状況などが変わることをサンデーショックという。
試験
出題傾向
小学校で学習する事項を超えた知識は求めないのが通常だが、その範囲の中で応用力を問うため限られた知識を最大限に活用させる傾向がある。そのため教科書の内容を理解するだけでなくある程度解法のパターンを覚える必要がある。 その意味で、トレーニングを受けないことには大学生にも難しいと言われる。最近では、就職に際してのSPIでも似たような出題がなされるようである。文部科学省が、御三家 (学校)クラスの学校に対して学習指導要領を逸脱しすぎないよう要請しているが、公立小学校のテストで100点を取れる生徒でも塾や参考書で受験対策をしないと上位校の合格は難しい。
国語
国語は漢字、語法、ことわざなどの基礎的な国語力を問われるほか、読解力を見る長文読解問題が出題される。 長文問題は指示語など、文章の要旨に関する出題が多い。 長文読解 指示語 接続詞
算数
算数は実力の差が付きやすく、難度の点でも話題に上ることが多い。文章題は、小学校では方程式を習わないため、それを回避しながら入り組んだ問題を解かせるものになる(方程式を使わずに回答するという制限を付けると、大人には逆に難しい)。 連立方程式の解法を小学生のうちに学習しておくと有利になることもあるが、中学入試においては、方程式による回答は逆に時間がかかることも多い。
計算問題 かっこのある計算 四則混合計算
文章題 鶴亀算 旅人算 流水算 通過算 分配算 仕事算 倍数算 植木算 還元算 過不足算 ニュートン算 食塩水の問題
図形問題 相似 角度を求める問題 比 場合の数 順列組合せ 最短経路問題(ダイクストラ法)
理科
理科は実験に関する出題が多い。
社会
社会は地理・歴史・公民から満遍なく出題される。特に時事問題の出題が多い。
科目・配点
4科目を科す学校、国語・算数の2科目だけを科す学校、4科目と2科目を選択できる学校がある。4科目の得点を均等に加算して考慮する学校も、国語・算数は100点満点、理科・社会は50点満点とする学校もある。
外部リンク
四谷大塚 日能研 SAPIX(サピックス)
関連項目
御三家 (学校) サンデーショック(ミッションショック) 中高一貫教育 中学校 中等教育学校 偏差値 学習塾 受験 入学試験
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