水の戯れ
水の戯れ(みずのたわむれ、Jeux D`Eau)は、フランスの作曲家モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel)が1901年に作曲したピアノ曲である。1901年11月11日に作曲され、作曲者のパリ音楽院時代の師、作曲家ガブリエル・フォーレに献呈された。
モーリス・ラヴェルがフランス印象派の作曲家の範疇に入るかどうか様々な議論が従来より繰り返されてきているが、ラヴェルが印象派の作曲家の範疇に入ると主張する人々は、
「『水の戯れ』が音楽の分野におけるフランス印象派主義の幕開けとなった作品」
と主張し、また、
「ドビュッシーよりもラヴェルのほうが印象派主義において先んじていた。なぜならば、ドビュッシーにおいて最初に印象派主義が明らかとなった作品、組曲『版画』が1903年の作であったことがその理由である。」
としている。
曲の特徴
曲自体は全体としてソナタ形式に近いものがある。旋律、和声等々かなりシンプルである。テンポ、リズムも一定なのが望ましいとラヴェルもそのように指示していた。しかし、曲の骨組みは簡素であるが、その肉付けが精巧且つ変化に富む神業的なものであり、水の態様を完璧に描き切っているという評価も存在するほど優美な作品に仕上がっている。ラヴェルの父親の出身地になぞらえたあだ名「スイスの時計職人」の資質はこの頃からあったと推測できる。
また、アルペッジョという同じ音の繰り返しが多く見られ、弾きこなすには相応のピアノの腕前が必要となる。曲の中盤に出てくるグリッサンドは全て半音の黒鍵によるものである。
さて、この曲は、フランツ・リストの『エステ荘の噴水』から影響を受けていると言われる。実は、ドビュッシーの方も『エステ荘の噴水』から影響を受けた曲を作曲している。『水に映る影 映像第一集』、または、『水の反映』とも日本語訳される曲である。ラヴェルとドビュッシーはクラシック音楽の様々な分野で比較されることの多い2人であるが、そのことからも理解できる。
補足
この曲は中学校の音楽の教科書 2・3年下 にも載っていた曲である。しかし、近年の中学校の音楽教育が、琴などの実技、演奏を主眼においているために、たとえ教科書に載っていても授業で鑑賞する機会が少なからず減るとの声もある。