折口信夫
折口 信夫(おりくち しのぶ、1887年(明治20年)2月11日-1953年(昭和28年)9月3日)は、日本文学研究者・民俗学者・詩人・作家・劇作家。釈 迢空(しゃくちょうくう)の名で多く詩や小説、戯曲を著した。柳田國男の高弟として民俗学の基礎を築いた。その業績は主に芸能史、国文学であるが、その業績はマレビトとヨリシロに集約されうる。即ち、国文学の起源を祝詞や呪言に求め、さらにそれらがマレビト信仰に基づくものとした。また聖なる霊魂をヨリシロによって呼び寄せることによって、人間は神秘的な力をみにつけられるとし、天皇は天皇霊を身に着けた人物であると読み解いた。
その成果に、現在も民俗学のみならず、日本文化論や日本文学研究は負う所が少なくない。しかしマレビトなどの根本概念がきちんと定義されてないなど、独創的、詩的に過ぎて学問的客観性や厳密性に欠けるとの批判も、民俗学が厳密化するにつれて大きくなっている。
柳田が民俗現象を比較検討することによって合理的説明をつけ、日本文化の起源に遡ろうとした帰納的傾向を所持していたのに対し、折口はあらかじめマレビトやヨリシロという独創的概念に日本文化の起源があると想定し、そこから諸現象を説明しようとした演繹的な性格を持っていたとされる。柳田が科学者的であったとするなら、折口は文学者的であったといえよう。師弟としては科学者的なフロイトと芸術家的ユングとも対比できよう。
作品一覧
折口信夫全集(中央公論社) 海山のあひだ(歌集) 倭をぐな(歌集) 死者の書(中公文庫)