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成人向けゲーム

成人向けゲームとは、いわゆる18才未満の購入が禁止或いは非推奨されるゲームの事を指す。海外ではスプラッターものや反社会的性質を帯びたゲームも多く指定されているが、日本においてはほとんどが性的描写による指定であり、このようなゲームは「18禁ゲーム」、「エロゲー」、「美少女ゲーム」などとも呼ばれる。

PCにおける成人向けゲーム

日本では現在のところ、成人向けゲームのほとんどがパーソナルコンピュータをプラットフォームとする男性向けゲームであり、ボーイズラブなど女性向け成人ゲームも存在するが市場規模は小さい。また、グラフィックは多く「マンガアニメ」調の絵柄であり、日本の巨大なサブカルチャーであるそれらとの関連は深いと言えよう。このことはアメリカなど欧米などには見られない、日本の成人向けゲームの特徴でもある。

ゲームジャンルとしてはアドベンチャーゲームが圧倒的で、育成系シミュレーションゲームアクションゲームも一部で見られる。シューティングゲームやストラテジー系シミュレーションゲームは稀で、前者は『とびでばいん』(アボガドパワーズ、2001年)、後者は『妖獣戦記』シリーズ(ディーオー、1993年~)がある程度であり、ファーストパーソン・シューティングゲームは成り立たないとされる。

歴史

創生期からソフ倫設立まで

1982年に販売された光栄マイコンシステム(現コーエー)の8bitパソコン用ソフト『ナイトライフ』が「性」を取り扱った最初のソフトとして登場し、その翌年には既に10本以上の成人向けゲームが販売されている。

初期には、前述の光栄エニックス日本ファルコムなどコンシューマーゲームで名をはせたメーカーや、PSK、九十九電機などのパソコンショップも成人向けゲームを販売していた。また、1980年代半ばから成人向けゲームの制作販売を専門とするジャスト、エルフアリスソフト、キララ(現F&C)などのゲームメーカーが現れ始め、パソコン市場におけるPC-9801シリーズのシェア拡大にあわせてこれらの機種のユーザーをねらった成人向けゲームが数多く製作されるようになった

しかし当時は「成人向け」という概念も無く、単純にこれら成人向けの露骨な性的描写を含むソフトウェア類は「エロソフト」等と呼ばれて、メーカーや販売店側も、中高生などの未成年者が購入する事に関しては全く無頓着か、むしろその年代層をターゲットにした商品にも(製作側の嗜好もあるだろうが)、性的興奮を目的とした描写が取り入れられる事が多かったのも実状であった。

これらのゲームの表現はメーカーの裁量に委ねられていたため、次第に有害図書として問題となるようになり、刑法177条(「強姦罪」)からタイトルを取った『177』というゲームが国会で取り上げられたこともあった。 そして、1991年に成人向けゲームソフトがわいせつ物として警察に摘発される事件が起きたことをきっかけに成人向けゲームメーカー業界でも危機感が募るようになり、翌年に自主規制団体としてコンピューターソフトウェア倫理機構(ソフ倫)が設立され、過激な表現の規制が行われるようになった。

技術の進歩とゲーム

コンピュータ技術の進歩がゲームに与える影響は大きく、特にグラフィック面についてその傾向は顕著である。そして成人向けゲームにおいてもそれは当てはまる。成人向けソフトの登場とPC-8801FM-7といった当時としては格段にグラフィック能力が向上したパソコンの登場はほぼ同時期であり、グラフィック能力の向上によりコンピュータによる成人向け表現が可能になったと見ることができる。

これ以後もハードの進化と共にグラフィックの向上は進み、8Bitパソコン時代の末期から、16Bitパソコン全盛期には、写真などの静止画像をキャプチャーするハードウェアも出始め、従来のプログラマー兼デザイナーの描くドット絵から、専門のイラストレーターが作画した物や、実写した写真のキャプチャー画像が増え、更にはその後の32Bitパソコンが普及し、1995年Windows 95登場の頃には、純粋に解像度と発色数の増大のみならず実写や動画・3DCGによる多彩な表現が可能になったこともあり、成人向けゲーム市場はマニア外向けにも急速に拡大した。

更にはパソコンの普及と販売量の増大によって、潤沢な資金を背景に、高度な映像機材が投入されるなど、製作側の設備投資関連の進歩も挙げられる。

グラフィック面以外でも、大容量記録媒体の登場によって大作ゲームが作られるようになり、音声技術の向上やプロダクション制の導入に拠り、声優らに拠る主題歌を収録したり登場人物等の台詞に声をあてたりすることができるようになった。

作品の傾向

当初は現在主流となっているアドベンチャーゲームだけではなく、アクションゲームやロールプレイングゲームなどの形式を取ることが多かったが、多くのコンピューターゲームユーザーからは成人向けゲームはあくまで性的な描写が主であり、概してそのゲーム性は薄いものであると認識されていたようである。

1992年に発売されたエルフの作品『同級生』は、学園恋愛をテーマとするシミュレーションゲームの要素を取り入れたアドベンチャーゲームで、成人向けゲーム史上はじめての10万本を越える売上を記録した。このころから成人向けゲームにも優れた作品があると多くのユーザーに評価されるようになり、1990年代半ばには、『EVE burst error』(シーズウェア1995年)、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』(エルフ、1996年)などシナリオを前面に打ち出したゲームが発売されてヒットをおさめ、コンシューマーで生まれたサウンドノベルの手法を取り入れたLeafの作品(『』、『』、『To Heart』、1996年~1997年)の登場した1990年代の末頃から、恋愛物語要素やシナリオなどを重視し、「イラスト付きの、選択肢による分岐がある、多少性行為の描写を含む読み物」とでも言えるような成人向けゲームが多くなってきた。この傾向は『ONE~輝く季節へ~』、『Kanon』、『加奈~いもうと~』、『Phantom~Phantom of inferno~』、『AIR』、『君が望む永遠』などの、1998年から2003年までの多くのヒット作に共通する。

一方、1990年代末頃からソフ倫の登場以来下火になっていた、強姦SMなどの過激表現を売り物にする成人向けゲームが増える傾向があり、二極分化の傾向を示している。

現代文学としてのエロゲー

「1990年代の末頃から、恋愛物語要素やシナリオなどを重視し、性行為の描写を含む選択肢による分岐を含むイラスト付きの読み物とでも言えるような成人向けゲームが多くなってきた」ことと関連するが、特にヒットした名作と呼ばれるようなエロゲーのシナリオ、テキストはまさに今、現在の、限定された範囲であるかもしれないが日本社会の雰囲気、気分、意識を他よりも非常に良く描写し、現代日本の、最先端の(最先端を走っている)文学である可能性がある(SFやファンタジー物は直接的に現代日本社会をえがいてはいないが、非日本・非現代に作られた伝奇など空想の物語を見れば分かるとおり、空想も実のところその作られた時代・地域の社会を色濃く反映している)。しかしながら現状では社会的にはそのような見方はほとんどされてはいない。そしてまたそれは「大きな意味での、広義の文学」にあたるにもかかわらず、文壇からは無視・黙殺され、現状では文学賞の検討の対象には全くされていない。もっともこの種の作品が文学であるなら、フランス書院などから販売されている官能小説成人向け漫画も文学になりうるだろうから、当たり前といえば当たり前であるのだが。とにかく、現代の一般の若い日本男性にとって自分達により近いのはいわゆる芸術的で難解で市場規模の小さい「純文学」なのであろうか、それとも遥かに市場規模が大きく、純文学より大きな影響力を持つ可能性も考えられるエロゲーの「文学」なのであろうか?
もちろん現在の段階では、過度の商業主義にまきこまれ、芸術的観点からの評価がなされなくなる可能性があるなど、文学賞の対象にするにはまだ早いと言えるかもしれない。しかしながら、かつて吉本ばななの『キッチン』は「まるで少女マンガのような小説」と評された。エロゲーの影響力を考えると近い将来「まるでエロゲー文学のような」と評される作家が出現する可能性はある。

後発作品に影響を与えたかもしれないゲーム

;『同級生』(エルフ、1992年)
ヒロインごとにシナリオが存在する恋愛ゲームのフォーマットを生み出した。
現在のエロゲーにおいてヒロイン別の攻略がデファクト・スタンダードとなっていることを鑑みても、その影響は計り知れない。

;『殻の中の小鳥』(BLACK PACKAGE、1996年)
メイド」ジャンルの先駈けとなった作品。このゲームが直接影響を及ぼしたとは言い切れないが、メイドにまつわる退廃的ともいえるイメージ(洋館、主従関係、調教など)はこの作品で既に確立されていた。

;『\'ONE 輝く季節へ』(タクティクス、1998年)、『Kanon'』(Key1999年
同じスタッフの制作したこれら2作は、かなり特殊な趣向を持つ一部エロゲーマー(俗に「鍵っ子」という)からシナリオ面で高い評価(「萌える」「泣ける」「感動する」)を受け、「恋愛」「萌え」要素と「泣かせ」要素を組み込んだ「泣きゲー」というジャンルをエロゲー界にもたらした。

;『Phantom~Phantom of inferno~』(ニトロプラス2000年
当時の流行に逆らってハードボイルド路線を打ち出しながらも好評価を受け、物語重視の傾向の中でも「恋愛」要素以外の傾向の作品がヒットする先鞭をつけた。
ただし、『Kanon』のように後進の傾向を決定付けたというほどの影響力は示していない。もっともその『Kanon』が後発エロゲーにどこまで影響を与えたかは疑問であるが。

コンシューマー機との関係

コンシューマーゲームにおいて、性表現のあるゲームの制作は禁じられている。ただし過去にはセガサターンPC-FXで一時期成人向けゲームの制作が認められていたことがあり、『野々村病院の人々』などが18禁のまま移植されていた。ただし、完璧に元の作品が移植されていたわけではなく、過激な性的表現が緩和されたうえに年齢制限のかけられたものであった。

その後、『同級生』は性的表現をかなり緩和して18歳以上推奨ソフトとしてセガサターンに移植、『To Heart』はプレイステーション、『Kanon』はドリームキャストに、18禁シーンをカットして移植され、内容が秀逸であるものは性的表現を抜いても十分に売り上げが見込めるものとして、ヒットした18禁ゲームがコンシューマー機へ移植されるという傾向が生まれた。

コンシューマー機への移植に際しては、各プラットフォームごとに許容される表現の幅に違いがある。特にプレイステーションへの移植に関してはCGなどの表現に対する規制が厳しい上に、「原作のゲームと同一タイトルをつける事を認めない」という暗黙の決まりも制定され(プレイステーション2においてはそれほど露骨ではなく、他ハードに移植されていないタイトルでもサブタイトルが付いている程度である)、ある程度規制がゆるやかなセガ系ハードへの移植が盛んとなり、ドリームキャストの生産が終了した現在でも移植作品が発売され続けている。

2003年12月、CERO発足に伴い、新たにコンシュマー機作品の推奨年齢の基準が作られた。同基準はプレイステーション関係について言えば、従前のソニーチェックよりも緩やかである。今後の見通しとしてコンシュマー機にはより元の作品の意図を反映した移植が進められることだろう。

メディアミックス的展開について

以前からヒットした成人向けゲームを原作として18禁アニメを制作し、OVAとして販売する試みは多かったが、18禁要素よりも物語や「萌え」要素を評価された作品である『To Heart』、『こみっくパーティー』、『Kanon』、『君が望む永遠』は一般向け作品として制作され、テレビ放映もされた。また、『Piaキャロットへようこそ!!3』は翌年に劇場アニメ化されている。成人向けゲームの劇場アニメ化はこれが初である。

アニメーション脚本家のあかほりさとるが原作脚本を担当した『らいむいろ戦奇譚』(エルフ、2002年)は、ゲーム発売の発表と同時にテレビアニメーションの制作を発表し、アニメ版の声優にアイドルユニットを組ませるなど、本格的なメディアミックスを図った最初の成人向けゲームである。

その他

加奈~いもうと~』(ディーオー、1999年)は病弱の義妹をヒロインに据えた作品だが、TBSニュースでこのヒロインに愛情を感じているという30代のオタク男性が取り上げられ、ネット上で大きな話題を呼んだ(2ちゃんねる内に実況中継のスレッドが残っている)。

月姫』の成功で、従来のソフ倫とソフトウェアショップ流通の枠組みにとらわれない製作・販売が可能な同人ゲームへの注目が高まっている。

プレイステーション用ソフトとして発売された『久遠の絆』(FOG、1999年)はいわゆるギャルゲーであって18禁ゲームではないが、実質的に『To Heart』、『Kanon』などと同種の、シナリオを前面に打ち出し「恋愛」「萌え」要素と「泣かせ」要素を組み込んだ作品で、「泣きゲー」を好む成人向けゲームユーザーからも高い評価を受けた。のちに一般向けゲーム、ギャルゲーとしてコンシューマーで発売された『To Heart』や『Kanon』は、成人向けとして発売されたコンピューターゲームも性的描写が希薄な作品で、ギャルゲーとの違いは明確ではない。このように18禁ゲームは、ギャルゲーと呼ばれるゲームとも関連が深い。

関連項目

成人向けゲームのタイトル一覧成人向けゲームメーカー一覧

18禁漫画18禁アニメ

I'veUNDER17DOORS MUSIC ENTERTAINMENT

海外の成人向けゲーム

例えばアメリカでは日本の成人指定に相当するものとしてEntertainment Software Rating BoardによるAOレーティングがあるが、日本のような性的描写による作品も含まれはするが、それよりも暴力的な表現や、反社会的な物、ひいては犯罪的な内容によって成人指定とされる物が多い。その他、欧米でも同様に反社会的なものとしての成人指定作品が多い傾向にある。

また喫煙関連表現の有無などといった詳細部分においても、多方面よりチェックが入る。

過去には米コロンバイン高校の銃乱射事件に見られる凶悪事件とテレビゲームの影響が示唆され、良く似た状況を扱ったが、全米店頭発売禁止になるなどの波紋を呼んでいる。

基本的に映画やテレビ番組の放送基準と同様の扱いである。 古くは格闘物のアーケードゲームであるモータルコンバットが、ダメージ表現で出血するのを残虐とされ、やむなく緑色の飛沫が飛ぶ形でマイナーチェンジを行っている。


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