救急医療
突発的に発症する疾患や外傷に対しては通常の診療とは違った対応の必要になることがあり、覚知、搬送、診療までの過程を総称して救急医療(きゅうきゅういりょう)と呼ぶ。救急医療の特徴は以下のような点である。 急性期、超急性期への対応
- 疾患は症状が完成したか緩徐に進行している慢性期と違い、急性期は症状が時間とともに変化し、その間の適切な処置によって転帰が大きく変化する余地が大きい。特に、心肺停止状態では救急車到着までの間の蘇生処置が転帰に大きく関わり、来院時心肺停止(CPAOA)の予後は非常に悪い。
- 患者救急医療を利用することとなったということは、耐え難い苦痛があるか、もしくは生命の危機が迫っているかなどの緊急性があることを意味する。この場合、正確な診断よりもこれらの緊急性に対する処置が優先される。
- 生命に危険がなく、診察後帰宅可能な状態。風邪、切創など。
- 至急処置を行わなければ生命に関わる状態。心筋梗塞、多発外傷など。
大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した際は、救命の順序を決めるためトリアージに従って分類する。判定結果は4色のカードで表示して救命活動の指標とする。 黒: 死亡、もしくは死亡することが確実。救命の対象にならない 赤: 救命のために速急な処置が必要 黄: 救命のため待機的に処置が必要 緑: 命に関わらない。救命活動への協力を要請する 傷病者多数の場合は、できる限り多くの人命を救助するため、救命の見込みがない傷病者を切り捨てざるを得ないという側面がある。また、苦痛を訴える体力のない重傷者より軽傷者の方が訴え自体は激しいため、重傷度の迅速な判定が重要となる。
日本ではCPAOAの社会復帰率の低さから救急医療の強化が求められ、それに応じて救急救命士が法制化された。これは、医師の指示のもとに輸液ルート確保、喉頭マスクによる気道確保、電気的除細動が認められる資格である。救急救命士については、気管内挿管も認められるべきではないかという点が議論されている。