日本海呼称問題
日本海呼称問題(にほんかいこしょうもんだい)は、日本海の国際的呼称である Sea of Japan について、韓国がこれを East Sea (韓国語での 동해、東海、Donghae、「トンヘ」にあたる)と呼び改めるよう主張している問題。一部の報道機関では日本海名称問題とする所もある。1992年の国連地名標準化会議から韓国側が East Sea を使うように働きかけ、East Sea や「東海」を併記した地図が登場。さらに韓国政府の申し出に対し国際水路機関(IHO)が、「政治的問題に関与できない」という理由から日本海表記削除を表明(この件はその後撤回)し、ようやく日本国内でもこの問題が知られるようになった。
2004年3月の段階で、国連は「日本海」をこの海域の呼称として公式文書に使用することを明確にした。これにより、日本側の主張がやや優位に立つことになった。
周辺諸外国の日本海呼称
日本語では、日本海 (にほんかい)。 韓国の朝鮮語では、 トンヘ (동해; 東海) 北朝鮮の朝鮮語では、 トンジョソンヘ (동조선해 ; 東朝鮮海) ロシア語では、イポーンスコイ モーリ (Японское Море / 「日本海」の意)
両国の主張
以下に、「日本海/東海」表記をめぐる韓国・日本双方の意見をまとめた。構図としては、「韓国側の批判、主張→日本側の反論、主張」の順となっている。なお、番号をつけて、それぞれの主張がほぼ対応するように配列した。
韓国側の主張
朝鮮半島側から考えれば、東側にある海なので、「東海」と表現するべきである。 三国史記に紀元前37年以後何度か「東海(東洋海)」との呼称がみられる他、かつて中国がこの呼称を用いたこともある。 韓国の権益も絡む海の名称に、一当事者でしかない日本の名前があるのは不平等である。国際的な海に特定の国の名前をつけるのはふさわしくない。 1610年のコディンホ・デ・ヘレディアのアジア地図における Mar Coria という表記をはじめ、17世紀~18世紀の複数のヨーロッパの資料に「韓国の海」という類の名称が使用されている。それに、18~19世紀の日本の資料にも「朝鮮海」とされているものが存在する。(実際は極めて少数であった) 「日本海」は1904年の日露戦争以降、日本の国際的立場が高まるにつれ急速に普及した名称である。 「日本海」は日本の植民地政策の一環として押しつけられ国際的に普及した名称である。 「日本海」の名称を使用する事は韓国の国民感情が許さない。 世界の地図出版社やマスコミなどで「日本海」と「東海」の併記が拡大しつつある。従って、「東海」を「日本海」にかえて国際的名称とすることも可能である。 「日本海」は未だ国際名称として確立していない。
日本側の主張
東海 という呼称は単に東にある海という意味であり、国際的な海域に東も西もない。また、「東海」は日本においては東海地方を、中国においては「東シナ海」、ベトナムにおいては「南シナ海」のことを指すので、混乱する。 韓国では、中国の名を冠した「東シナ海」を 南海、「黄海」を 西海 と呼んでいるが、中国に対しては何ら抗議をしていない。 日本列島がなければ、この海域はそのまま太平洋と言うことになる。ユーラシア大陸東沿岸を太平洋から切り離す主体であり、沿岸も一番長い日本の名称を付け、 Sea of Japan(日本海)と呼称するのは自然なことである。第一、東シナ海やメキシコ湾、インド洋はどうなのか。 「日本海」が最初に登場した地図はマテオ・リッチの『坤與万国全図』(1602年) であり、西洋に「日本海」にあたる名称を普及させたのは、ロシアの提督クルゼンシュテルンの地図(1815年)と言われている。こうした例は日本の方が多い。それに韓国側が挙げている証拠地図は「韓国海」の例であって、「東海」の例ではない。 「日本海」の名前は日本が命名したのではなく、広まったのも日本が鎖国を続けていた19世紀前半である。20世紀初頭の日露戦争のころにはすでに「日本海」という呼称が慣行として定着していた。 日本が朝鮮を併合した1910年頃にはすでに「日本海」の名称が定着しており、「植民地支配」とは関係ない。 韓国は1992年まで日本海の名称に対して抗議するどころか、韓国政府発行の海図でも「日本海」と表記していた。また、「日本海」の名称は国際的に単一名称として既に確立しており、国家主権の及ばない公海の名称を一方的に変更できず、一国の主張によって国際名称が変更されるという悪しき前例を残さないためにも「東海」との併記も認められない。 国連でも「日本海」単独表記が確認され、慣用呼称として使用されている。また、外務省が2000年に世界60ヶ国の地図392枚を調査した結果、97%以上が英語 Sea of Japan か現地語の「日本海」にあたる呼称だけを使用しており、East Sea (東海)にあたる呼称を単独で使用している地図は全くなかった。 日本が鎖国(海禁)政策をとっていた19世紀前半には既に国際的に定着していた。現在でも、上記のように世界中で大半の地図が「日本海」を採用しており、国際的な名称として確立している。
関連項目
日本とコリアの論争 竹島