江戸時代
江戸時代(えどじだい)は、江戸幕府によって日本が統治されていた時代である。慶長8年(西暦1603年)2月12日に徳川家康が征夷大将軍に任ぜられ江戸(現在の東京)に幕府が開かれた時を始まりとし、慶応33年(1867年)の大政奉還までの264年間を指す。
江戸時代の政治・社会
江戸時代は徳川氏を中心として、武士が支配していた封建社会であった。一般市民の身分制度は士農工商と呼ばれる階級制であり、武士が民衆を支配していた。元々武士と農民は完全に分離していなかったが、豊臣秀吉の刀狩りなどにより武士階級と農民が明確に分離された。しかしながら江戸時代の各階層にはある程度の流動性があり、しばしば身分階級の移動が行われていた。特に江戸には地方から流入してきた農民も多く、幕府はしばしば帰農令を出している。また、土佐藩などには、郷士と呼ばれる武士か農民か曖昧な階級が存在していた。士農工商の下には、古くからあった穢多、非人と呼ばれる被差別階級があり、この存在が明治以後、部落解放運動に繋がる。
江戸時代の経済・貿易
江戸時代は、鎖国政策を引いていたが、経済的にはめまぐるしい発展を遂げ、その資本の蓄積は、明治維新以降の経済発展の原動力となる。江戸幕府は、貨幣制度の改革を行い、永楽銭などに代わり寛永通宝などの国内貨幣の鋳造を行いこれを流通させた。しかしながら、高額貨幣は、東日本は金貨が、西日本は銀貨が流通の基本となっており、その相場も日々変動したため、両替商などの金融業を発達した、また大量の貨幣を運ぶのを避けるため、手形取引も発達した。また、1620年頃から独自に先物取引が行われていた。
徳川家康は武士の支配構造の基本として重農政策を選んだため、支配者階級である武士階級は、その収入を米に依存していた。そのため幕府の経済政策の主力は米相場を安定させる事が中心になった。しかしながら、収入を増やすために米の生産量を増やすと米価が下がると言う様になかなか思うようにはいかず、商人達が経済の主導権を握るようになる。また、町人階級の経済的躍進は、武士階級を困窮させる事になり、幾度も倹約令が出される事になる。田沼意次は、重商政策を取り入れようとしたが、反対勢力によって失敗に終わっている。
経済が発展すると共に大量の物資輸送の必要が出てきたが、江戸幕府の国防政策により大きな船が作ることが出来なかった為、樽廻船による日本沿海を周回する物資流通が大きく発達した。
貿易は鎖国政策を引いていた為に、主流は長崎の出島における、中国、オランダとの交易であるが、抜け道もいくつか存在し、対馬を仲介した李氏朝鮮との交易、薩摩藩の配下に会った琉球を通じた中国、東南アジアとの仲介貿易、松前藩を介したアイヌとの交易などが行われていた。
江戸時代の文化・芸術
学問・思想
江戸時代には、戦乱が静まり社会が安定し平和になったことと経済活動が活発になったことにより人々の思想が自由になり多様な学問が開花した。また経済の発展による中流階級の庶民の台頭は、学問の担い手を生むこととなった。江戸時代の学問の特徴としては、研究者個人の直感的、連想的な思考を軸とする中世的な発想で研究を進めるのではなく、文献などに基づき実証的に研究するという態度が現れたことが挙げられる。また一部には身分制度を否定したり、無神論的な発想を持ったりする思想が現れ、プレ近代ともいうべき様相を呈している。 儒教:朱子学、陽明学、古学、古義学、古文辞学 国学 心学 水戸学 蘭学、洋学
江戸時代の宗教
江戸時代には、徳川幕府により仏教が民衆支配の手段として使われたために、黄檗宗が渡来したほかは仏教は不振となった。仏教内部も腐敗し、いわゆる「葬式仏教」が成立したのもこの時期で、形骸化した仏教は神道、儒教の両派から批判された。儒教に関しては上記の項目を参照されたい。神道では国学の隆盛に伴い、儒仏を廃した復古神道が唱えられ、一部では神仏分離が始まった。復古神道は儒教や仏教の教えを排除したが、一方では、神道と儒教が習合した神儒一致の垂加神道などの儒教神道が現れた。復古神道や垂加神道は幕末の尊王思想にも影響を与え、明治期の政策にも影響を与えた。他に特筆すべき事柄として、民衆による宗教運動が挙げられる。封建社会に縛られた民衆のはけ口として、遠方の寺社への巡礼、参拝がさかんになった。これは多分に娯楽的な意味を持ち、民衆が旅行するようになった起源とも言われる。中には旅行代理業者や案内業も現れ、寺社の側に歓楽街ができたところもある。この遠方への巡礼の背景には五街道などのインフラが整ったことがある。これらの代表的なものには、信州の善光寺参りや伊勢神宮へのお陰参りがある。特にお陰参りは、江戸中期後期、60年周期に爆発的に大多数の参拝者が押し寄せる現象が起き、これは江戸末期のええじゃないかに繋がることとなる。
また、江戸末期には、天理教や金光教などの新宗教が現れた。 隠れ吉利支丹 元和の殉教(吉利支丹)
人物
江戸時代の人物一覧