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比例代表制

比例代表制ひれいだいひょうせい)とは、政党毎に投票し、得票数に応じて各政党に議席を比例配分する選挙制度である。懸念されるように諸外国の例を見ても、あまり小党乱立にはならないが、同じくらいの力をもつ中規模政党が複数ある場合に各政党間に政策の一致がないと政争によって政局が不安定になりうるという弱点がある。

死票が少ない、全国区やブロック制、道州制のような広い選挙区のみが前提になるので、1票の格差による定数是正がいらないかあっても限りなく少なくてすむ、候補者と選挙民との個人的癒着が起こりにくい、政党選挙なので政策重視型の傾向を作れる、そしてなによりも民意が議席に正確に反映されるといった利点が大きいので、多くの国で国政選挙に採用されている制度である。

すべて自分の意見のみを通そうという考え方ではなく、話合いによって他者のことを考えて、皆にとって一番いい政策は何か考えることを国民に学ばせる意味で優れた制度といえる。しかし、政権選択で強力な政権を生み出したい場合には、やや不満の残る選挙制度である。その意味で、小選挙区制の魅力と対になっているといえる。

名簿と投票方法

立候補は政党ごとに行い、立候補者を並べた立候補者名簿を提出する。

非拘束名簿式

非拘束式では、立候補者名簿は順番が記載されていない。日本の参議院選挙で行われる方式である。

有権者は政党または立候補者に投票する。政党の票と、政党に属する立候補者の票を合算した上で、まず政党の当選議席を決定する。次に政党内の立候補者の得票数によって、当選者を決定する。

スウェーデンにおいては、各政党が提出する複数の名簿から自分の好みに合う候補者リストを用いて投票したり、候補者名簿から気に入らない候補者を削除する、新しい候補者を加筆したり、まったく新しい自分独自の候補者名簿を作成できる。政党の候補者名簿や名簿順位に拘束されないで、好みの候補者を選べる点で、非拘束名簿式のひとつの形態と言える。

拘束名簿式

拘束式では、立候補者名簿は順番が記載されている。日本の衆議院選挙で行われる方式である。

有権者は政党に投票する。次に政党の票により、まず政党の当選議席を決定する。政党の名簿順位の上位のものから当選となる。

日本の衆議院選挙では小選挙区制にも重複立候補が認められる為、仕組みが複雑である。詳細は小選挙区比例代表並立制を参照のこと。

配分の決定方法

ヘア・ニーマイヤー式

ドイツスイスの比例代表制で用いられている方式である。

まず有効投票総数を定数で割り、これを基数とする。そして各政党の得票数を基数で割り、整数分だけ配分。残りは剰余が大きい順に議席を割り振る。

基数を算出するのに有効投票総数を定数+1・定数+2で割るのも存在し、それぞれドループ式(イタリアで用いられている)・インペリアル式と呼称する。

議席数 10において、A党の得票数が1500、B党が700、C党が300、D党が200獲得したときの例で説明する。

基数は(1500+700+300+200)÷10=270だから、

A党B党C党D党
得票数1500700300200
÷基数5.562.591.110.74
剰余150(3)160(2)30(4)200(1)
議席数5311

ドント式

日本の比例代表制選挙では、いずれもドント式を用いている。

まずは得票数を÷1、÷2、÷3…で割る。 この数字の多い順に議席を分配する。

議席数 10において、A党の得票数が1500、B党が700、C党が300、D党が200獲得したときの例で説明する。

A党B党C党D党
÷11500 (1)700 (3)300 (7)200
÷2750 (2)350 (6)150
÷3500 (4)233 (10)
÷4375 (5)175
÷5300 (7)
÷6250 (9)
÷7214
まず、一番大きい1500のA党が1議席。次にA党の÷2とB党の÷1で比較するとA党の÷2が大きいので、A党が2議席。次にB党が1議席。というように順々に決めると、10議席に達するのはB党の÷3の233であるので、最後にB党の3議席が確定する。

最終的にはA党が6議席、B党が3議席、C党が1議席、D党は議席無しとなる。

サン・ラグ式

ドント式では÷1、÷2、÷3と割って議席を確定していくところを、サン・ラグ式は÷1、÷3、÷5……と順に奇数で割って行く方法を取る。ドント式と比べると小政党が議席を獲得し易く、特に最初の1議席を確保し易い。

議席数 10において、A党の得票数が1500、B党が700、C党が300、D党が200獲得したときの例で説明する。

A党B党C党D党
÷11500 (1) 700 (2) 300 (4) 200 (8)
÷3 500 (3) 233 (6) 100 66
÷5 300 (4) 140 (10)
÷7 214 (7) 100
÷9 166 (9)
÷11 136
まず、一番大きい1500のA党が1議席。次にA党の÷3とB党の÷1で比較するとB党の÷1が大きいので、B党に1議席の次にA党に2議席。というように順々に決めると、10議席に達するのはB党の÷5の140であるので、最後にB党の3議席が確定する。

最終的にはA党が5議席、B党が3議席、C党が1議席、D党は1議席となる。

修正サン・ラグ式

修正サン・ラグ式ではサン・ラグ式で最初に1で割るところを1.4で割る。スウェーデンの国政選挙で使われている。

議席数 10において、A党の得票数が1500、B党が700、C党が300、D党が200獲得したときの例で説明する。
A党B党C党D党
÷1.4 1071 (1) 500(2) 214(6) 142 (9)
÷3 500 (2) 233 (5) 100 66
÷5 300 (4) 140 (10)
÷7 214 (6) 100
÷9 166 (8)
÷11 136
サン・ラグ式と結果の議席数は等しいものの、総得票数の少ない小政党の順位が低いことに注意されたい。



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