一條裕子
一條裕子は非常にクレバーな漫画家である。その作品は独特の世界を形成し、かといって我々の感覚とも乖離していない。 超現実的な物語の一方に厳格な構成力があり、 ナンセンスの向こうでは非常に観念的でそれとない寓意を備えている。また少ないページの中での語り口は、毎回バラエティに富んだスタイルを選択する。これは非常に前衛的な手法である。さらに作品中には数多くのさまざまな分野の知識が詰め込まれている。他の文学作品へのパロディを中心としたそれは記号論的な手法である。こういった点からも一條裕子の漫画は、文学文芸において今世紀に獲得された手法を余すところなく取り入れた、最先端の漫画であるといえる。などとこむずかしいこともいってみるが、最大のポイントは笑いであり、その ギャグ・センスは極上である。
作品
わさび 末広町35番地 静かの海 2組のお友達。 犬あそび 必ずお読み下さい。 すてきな奥さん