交流電化
交流電化(こうりゅうでんか)とは、鉄道の電化方式の一つで交流電源を用いる方式。
概要
直流送電にくらべ電流が少ないため送電ロスが低く、変電所の密度が下げられる。また、整流機能が不要なため変電所の整備コストが低くてすむ。副次的ではあるが、交流においての方が直流下における電気機関の方より高出力を扱えるというメリットもあった。しかし車両側では高圧交流を安全に扱う必要があり、変圧器や整流器を車両に搭載する必要があるため、直流方式の車両にくらべ高価である。このため、運転頻度の少ない(従って使用する車両数が少ない)路線に適用するほうが有利である。
日本では在来線では20,000V、新幹線では25,000Vが用いられる。
沿革
戦後全国的に電化を進める際に、路線の電化費用を押さえられる交流電化を採用したため、電化が比較的遅れた東北地方・北海道地方・北陸地方・九州地方では交流電化が採用された。日本の商用電源は、本州中央部から西が60Hz、東が50Hzで発電されている(→日本の商用電源周波数)ことから、交流電化路線も地域によって電源周波数が異なる。 ;このため全国規模で路線を保有する唯一の鉄道事業者であった日本国有鉄道では、次のような対応が取られた。 電源周波数に応じて異なる形式の車両を準備した。 後に、両周波数に対応できる車両が開発された。 周波数が異なる路線が接続する場所では、電圧の加わらない架線の区間であるデッドセクションを挟んで接続し、列車が当区間を通過する際にはモーターに電流を流すのを一時停止し、惰性で走行することにより両区間を渡ることができるような工夫をした(なお、直流電化区間と交流電化区間を接続するデッドセクションもある)。
交流電化の導入に先立って、仙山線で50Hzの、高山本線で60Hzの、それぞれ試験が行われた。
東海道新幹線は東京駅から静岡県内に至る50Hz地域でも60Hz電源を採用したが、東北新幹線・上越新幹線は50Hzで敷設された。また、北陸新幹線(長野新幹線)は、東京駅~高崎駅間で既存の50Hz区間を走行するが、最終的には60Hz地域まで路線を伸ばすため、最初から複周波数対応の新幹線車両を開発して、長野県内で50Hz/60Hzを切り替える仕様となった。
ただ、最近は、都市部の拡大により、直流電化区間のみを走る列車が、より郊外に運行されるようになって来ている。そのため、交流電化区間に乗り入れるための列車のコストをかけるよりも、区間そのものを直流電化にしてしまうことが考えられつつある。こういう事例として、北陸本線で電化方式の変更計画が挙げられる。
常磐線でも取手駅以北は交流電化区間が都市近郊路線の範囲内にあるが、茨城県新治郡八郷町柿岡に気象庁地磁気観測所があり、直流電気を流すと地磁気観測に影響を与える為、半径30キロは直流電化に出来ない。