柳田國男
柳田 國男(やなぎた くにお、1875年7月31日 - 1962年8月8日)は、日本において民俗学を体系的学問として構築した祖である。
兵庫県神崎郡福崎町で生まれ、その後兄、鼎(かなえ)のいた茨城県利根町に出てきて、2年間を過ごす。当初農政学を学び、のち民俗学者となった。
急速な近代化にさらされて省みられなくなった伝統的な生活を学問の対象に始めてすえた功績は大きい。しかし、かれ自身の性格・手法によって切り捨てられた民俗があることも、近年指摘されている。非稲作民、被差別民、同性愛、超国家的民俗などの解明は、まだ始まったばかりである。没後、蔵書は成城大学に寄贈され、成城大学民俗学研究所の管理になる柳田文庫として活用されている。
代表作
『遠野物語』:東北地方の伝承を記録した、柳田民俗学の出発点。 『蝸牛考』:各地のカタツムリの名称を比較検討することにより、日本語が近畿から地方へ伝播していったことを明らかにした考察。 『桃太郎の誕生』:昔話の解析を通して、日本社会の断面図を描こうとしたものだが、この手法は民俗・民族学、文化人類学に応用され、多くの後継者を生み出した。例:中野美代子の『孫悟空の誕生』。 『海上の道』:日本文化が沖縄から南島づたいに伝播してきたという考察。沖縄には稲作文化がなかったことから発表当初は否定されたが、近年の考古学的・言語学的調査などにより、南方からの影響もかなりあったとされる。なお研究者の間でも間違えられることがあるが、柳田の読みは「やなぎだ」ではなく「やなぎた」である。