犯罪
犯罪とは(一般的な用語として)
犯罪(はんざい)とは、法によって禁じられた行為(違法行為)を行うことを言う。犯罪を犯した者は、犯罪者と呼ばれる。
関連用語
犯罪者の関連用語として、下手人を参照されたい。
犯罪とは(理論的分析)
犯罪(はんざい)とは、一般に法によって保護されるべき他人の利益(法益)を侵害する行為をいう。もっとも、この他にも様々な定義が主張される。その主なものは、ただ単に法益の侵害があるだけでは不十分で、その侵害が反社会的な態様でなされることが必要であるとか、法益の侵害は本質ではなく、犯罪の本質はその反社会的な態様であるなどの主張である。
ある行為が犯罪とされるためには
ある行為が犯罪であるか否かを判断する枠組みを提供する学問を犯罪論という。通説的な犯罪論におけるその枠組みは次のようなものである(以下は、行為無価値の一般的な説による説明である)。
まず、ある事実が犯罪とされるためには、その事実が犯人とされるものの行為でなくてはならない。 何者も、その思想のゆえに処罰されるべきではないからである。
次に、問題とされる行為およびその結果が構成要件に該当する行為および結果でなくてはならない。もっとも、結果の要求されない犯罪も存在する。例として刑法第199条の「人を殺した者は、死刑又は無期若しくは三年以上の懲役に処する。」を考えると、この場合、行為の客体が犯人以外の人であること、その人が死亡したという事実、その死が通常、死の結果を招来する故意行為によって生じたこと、が構成要件となる。
構成要件に該当した行為は、この段階で違法かつ有責な行為であると判断される。構成要件は社会通念上、違法かつ有責な行為の類型であるからである。
次に、行為と結果の因果関係が問題となる。行為と因果関係のない結果は行為者に帰責し得ないからである。
次に違法性阻却事由の有無の判断が行われる。たとえ、構成要件に該当するとしても、違法でない行為は社会秩序を害することはなく処罰する必要がないため、そもそも犯罪を構成しないからである。違法性の意義については、行為無価値説と結果無価値説の対立があり、前者はこれを「法益を侵害しかつ社会秩序に反すること」とし、後者はこれを「法益の侵害またはその危険」とする。違法性阻却事由には、例えば「急迫不正の侵害に対して、自己又は他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為は、罰しない」(刑法36条)とする正当防衛の規定がある。もっとも、明文のない違法性阻却事由も判例上認められることがある。
ついで責任阻却事由の有無の判断が行われる。たとえ、構成要件に該当するとしても、当人にその責任をといえない場合には、これを治療や教育の対象とすることは別段、処罰の対象とすることは相当でないからである。例えば、行為者が刑事未成年者であったり重度の精神障害を患っている場合には、その者の行為は犯罪とはならない。
以上の判断を経て、犯罪の成否は判断される。
(ちなみに、故意であるか過失であるかのチェックがどの段階で行われるのかについては一致した見解がない。また、行為のどの段階であったのか、行為を行ったのが一人だったのか複数だったのかなどもチェックポイントとなる。)
刑法の定める犯罪リスト
日本の刑法に定められた犯罪には次のようなものがある。 放火及び失火の罪(108〜118条) 住居侵入罪(130条) 通貨偽造罪(148条) 文書偽造罪(第154条〜第161条の2) 収賄罪(197条) 公務員職権濫用罪(193条〜196条) 危険運転致死傷罪(208条) 名誉毀損罪(230条) 侮辱罪(231条) 事後強盗罪(238条)
関連項目
正当防衛(36条) 中止犯(43条) 即遂 未遂 冤罪 詐欺 強姦 わいせつ罪 痴漢 セクハラ 企業犯罪
犯罪学
広義の犯罪学(はんざいがく)とは、犯罪の現象と原因、予防方法を研究する学問の分野をいう。狭義の犯罪学(はんざいがく)とは、犯罪の現象と原因を研究する学問の分野をいう。 割れ窓理論