競艇
競艇(きょうてい)は公営ギャンブルの種目の一つ。日本独自のものであったが、現在は韓国でも行われている。プロの選手達によって行われているモーターボート競技。モーターボート競走法という特別法に基づいて、指定自治体が舟券を販売している。
所轄官庁は国土交通省で、造船関係の産業を振興すること等を目的として、1952年(昭和27)から実施された。
競艇のルール
水面(競走水面)に浮かぶ2つのブイ(ターンマーク)を目印として、反時計回りに3周する。ターンマーク(正確にはターンマークと対岸(観戦スタンド側)を垂直に結ぶ線)間の距離は300mで、約1800mを走る事になる。スタートラインはターンマーク間の中間にあり、選手は対岸に置かれている通称「大時計」が示す時間内にスタートラインを通過しなければならない。すなわち針が12時の位置を指した時点から1時の位置を指した時点までの1秒間である。これより早く通過した選手は「フライング」、遅く通過した選手は「出遅れ」となり、当初からレースに出場しなかったものと見做される。フライングや出遅れを犯すと斡旋停止の処分を受けることになる
ボート、エンジンは競艇場に用意されており、開催初日の前日に抽選で選手に割り当てられる。エンジンのプラグとプロペラは私物の持込が許されている。エンジンの整備や私物の持込には細かな規定があり、違反した場合には重大なペナルティーが科される。
競艇のレース格付け
競艇では大きくSG(スペシャル・グレード)、G1、G2、G3、一般と5つのランクに分けて競走を開催している。その中でもSG - G1は競艇のトップレーサーが一堂に集うことで人気が高い。
SG
総理大臣杯(3月):賞金王決定戦出場者(12名)、前年度総理大臣杯覇者、昨年のSG覇者、GI特別競走優勝者(総理大臣杯2ヶ月前の新鋭王座決定戦覇者、2週間前の女子王座決定戦覇者も含む)、昨年1月~12月までの優勝回数上位者(最低でも5回が目標となる) 笹川賞(5月):賞金王決定戦出場者(12名)、今年度総理大臣杯覇者、前年度笹川賞覇者、昨年のSG覇者、ファン投票得票上位者 グランドチャンピオン決定戦(6月):賞金王決定戦出場者(12名)、今年度総理大臣杯・笹川賞覇者、前年度グランドチャンピオン決定戦覇者、昨年のSG覇者、前年度の笹川賞~今年度の総理大臣杯までの優出者・着順点上位者 オーシャンカップ(7月) モーターボート記念(8月) 全日本選手権(10月) 競艇王チャレンジカップ(11月) 賞金王決定戦(12月) 賞金王シリーズ戦(12月)※賞金王決定戦とシリーズ戦は同一会場同時開催。6日間1セット。賞金王決定戦だけ4日間。
G1
各地の開設記念(周年記念と呼ぶ。各場ごとに年1回) ダイヤモンドカップ(施設改善記念レース 随時) モーターボート大賞(随時)※競艇場の売上貢献させる為の記念レース 新鋭王座決定戦(1月 デビュー5年目までの選手限定) 各地区選手権(2月) 女子王座決定戦(3月) 競艇名人戦(4月 48歳以上限定) 高松宮記念特別競走(10月~11月 大阪府・住之江競艇場)※すべて6日間開催。
G2
競艇祭(長崎県・大村競艇場 春~夏・6日間) 秩父宮妃記念杯(滋賀県・びわ湖競艇場 秋~冬・6日間)
G3
新鋭リーグ戦(各場ごとに年1回)※開催しない場がある 女子リーグ戦(各場ごとに年1回)※開催しない場がある 特別タイトル戦(企業杯と通称される 各場ごとに年1回)
一般戦
スポーツ新聞や放送局などのタイトル戦 ノンタイトルの一般戦※G3や一般戦はレース日程が3~7日間と流動的である。
全国の競艇場
関東
桐生競艇場(群馬) 戸田競艇場(埼玉) 江戸川競艇場(東京) 平和島競艇場(東京) 多摩川競艇場(東京)
東海
浜名湖競艇場(静岡) 蒲郡競艇場(愛知) 常滑競艇場(愛知) 津競艇場(三重)
近畿
三国競艇場(福井) びわこ競艇場(滋賀) 住之江競艇場(大阪) 尼崎競艇場(兵庫)
中国
児島競艇場(岡山) 宮島競艇場(広島) 徳山競艇場(山口) 下関競艇場(山口)
四国
丸亀競艇場(香川) 鳴門競艇場(徳島)
九州
福岡競艇場(福岡) 若松競艇場(福岡) 芦屋競艇場(福岡) 唐津競艇場(佐賀) 大村競艇場(長崎)
舟券の発売種類
単勝式 複勝式(2着払い) 普通二連勝複式(二連複) 拡大二連勝複式(拡連複※) 二連勝単式(二連単) 三連勝複式(三連複) 三連勝単式(三連単)※競艇では競馬のようにワイドとはいわない。
電話投票システム
テレボート 各地区単位で(中国と四国は開催会場が少ないので「テレボートせと」として)募集する。
場外発売会場
ボートピア 競艇の元々の名称だった「モーターボート競走」のボートとユートピアを絡ませた造語。丸亀市(香川)に第1号会場が設けられて以降全国各地に設置されている。
競艇学校
競艇選手になるためには、競艇学校といわれる選手養成所での1年間の訓練をこなさなくてはいけない。 競艇学校はかつては山梨県本栖湖にあったが、現在は福岡県やまとにある。 競艇選手の条件としては次に挙げる条件を満たすことが必要である。 入学予定期日の時点で満年齢14歳以上21歳未満であること 身長170㎝以下、体重47~55㎏(女子42~50㎏)であること 視力が両眼とも0・8以上であること(但しめがね、コンタクトレンズの使用は認めない) 血圧が150:90以下であること 視覚障害若しくは眼筋平衡機能障害を起こす恐れのある眼疾患のないこと その他体調上の問題のないこと 年2回入学式(4月入学コースと10月入学コース)がある。 入学から3ヶ月間は教官の運転によって水面に慣れてもらうことから初めて、モーターの装着・分解・組み立てなどの基礎訓練からスタート。 養成所では「礼節」を重視しており、行進や整列の訓練、教官に対する礼儀などが厳しく指導される。入学直後はこれらの教育に特に力を入れており、この段階で雰囲気に馴染めず脱落する訓練生が出ることもある。 4ヶ月目からは実際のレースに近づけて複数の船で旋回したり、スタートタイミング・待機行動のトレーニング、モーターの性能調整やプロペラの調整などの技術応用練習が行われる。 そして最後の4ヶ月間で模擬レースを行う。卒業記念レースの決勝ラウンド出場は模擬レースの成績などを参考に決定される。 その他、スポーツマンとしての基礎体力トレーニングやメンタルトレーニング、レクリエーション活動も行われる。 リーグ戦の成績上位者は、デビューする際、B1級扱いでレースに出場できる。デビュー3ヶ月間は地元地域中心、それ以降は全国各地の会場で斡旋される。
男女が同じ条件で戦う競艇
競艇の特色の一つは「男女が同じ条件で戦う」ことであろう。競艇の産みの親の一人である笹川良一は、太平洋戦争後「これからは男女が同じ立場になる時代が来る」と痛感。当初から女子にも選手への道を開くことを構想し、実践した。第1回全日本選手権には早くも4人の女子選手が出場し、1950年代には周年記念で3人が優勝している。
1960年代には女子選手の数は激減し、一時は4名にまで落ち込んだが、1980年にデビューした田中弓子の活躍を機に再び増加に転じ、現在は約1500人いる選手の1割を占める。
1999年の四国地区選手権では山川美由紀が女子選手では41年ぶりにG1レース優勝を果たした。また2001年には寺田千恵がSG優勝戦に進出し、大島聖子が男子選手を抑えて最多勝タイトルを獲得するという、共に女子選手としては初めての快挙を達成したことは記憶に新しい。