赤十字社
赤十字社(せきじゅうじしゃ、Red Cross)とは、スイス人アンリ・デュナンの提唱により創立された、国の内外を問わず、戦争や大規模な事故や災害の際に、中立機関(敵味方区別なく)として人道的支援を行う団体を指す。組織的には「ジュネーブ条約」とこれに基づく国内法によって、特殊な法人格と権限を与えられた団体である。
多くの国では、識別マークはデュナンの母国スイスの国旗の色を反転した、白地に赤い十字(赤十字)を採用し、「赤十字社」と呼んでいる。ただし、マレーシアや中東などイスラム諸国では、宗教的な理由(十字は十字軍を連想するとして嫌われた)から白地に赤い三日月を識別マークとし、「赤新月社」(せきしんげつしゃ、Red Crescent)と呼んでいる。
他にも“ダビデの赤盾”(イスラエル)、“赤獅子太陽”(王制当時のイラン)など種々の標章が乱立した事から、赤十字・赤新月に代わる共通の(=第三の)標章採用が提案されたが、これには加盟国の合意に基づく条約の改訂を要する為、どのような標章にするかも含め、未だ結論は出ていない。
歴史と概説
1864年に、スイスなど16カ国で、最初のジュネーブ条約が調印され、ここに国際赤十字組織が正式に誕生。2003年11月20日現在、181カ国に赤十字社(150カ国)、赤新月社(31カ国)が設立されて、活動を行っている。
主な任務は 紛争や災害時における、傷病者への救護活動 戦争捕虜に対する人道的救援(捕虜名簿作成、捕虜待遇の監視、中立国経由による慰問品配布や捕虜家族との通信の仲介など) 赤十字の基本原則や国際人道法の普及・促進 平時における災害対策、医療保健、青少年の育成等の業務 など、非常に多岐にわたる。
日本赤十字社
日本赤十字社(Japanese Red Cross Society)は、日本における赤十字活動を行う唯一の団体。略称「日赤」(にっせき)日本赤十字社法に基づく特殊な権限を有する法人格を持った団体。本社は東京都港区芝大門1-1-3。 各都道府県に支部があり、病院や診療所、看護師養成の日赤看護大学や専門学校、血液センター、献血ルーム(献血ルームは血液センター出張所の位置付け)、福祉施設などを持っている。また、赤十字の思想目的に賛同し理解するボランティアで構成され、災害時には無給で救援活動などを行なう「奉仕団」を保有。
血液事業では、日本で唯一、献血の受け付けや、献血で採血された血液の医療機関への供給を行っている。
共同募金会と連携し「共同募金(赤い羽根)」を行ったり、NHKと連携し「海外たすけあい募金」を行ったりもしている。なお、NHKは同時期に「歳末たすけあい募金」も行なっているが、日本赤十字社はこちらにはかかわっていない。
略歴
1877年 - 前身の「博愛社」創立 1886年 - ジュネーブ条約に加入 1887年 - 「日本赤十字社」に改称 当時の標章は日章の下に黒線一本(太政大臣三条実美の「耶蘇のしるしじゃ」の一言で変えさせられた) 1888年 - 磐梯山噴火で日赤初の災害救護活動- ※日清、日露、第一次、第二次世界大戦や、関東大震災など内外での自然災害の救援活動を精力的に行ったが、第二次世界大戦では東南アジアで日本軍に収容された数十万人の欧米人に対する人道的救援活動が十分ではなく、国際的な非難を浴びた。また中国戦線での活動も日本軍兵士の救護に限定された極めて不活発なものであった。
- ※この後も国内外での戦争、紛争、大規模災害などの直接・間接的な救援活動は数知れず。
- ※阪神淡路大震災では各国赤十字社の救援を受けた。特にスイスからの災害救助犬の派遣は前例がなく受け入れにスムーズさを欠いたが、活動開始後は被害者の救出に威力を発揮し、災害救助犬の重要性を認識させた。
関連項目
フローレンス・ナイチンゲール - 従軍看護婦(看護師)として近代看護を確立 赤十字国際委員会 救世軍 - 日本ではプロテスタント基盤のボランティア慈善団体という位置付けであるが、欧米では赤十字社と同等の重要な位置付けがされ、災害時には国際的なチームを編成し、人種や思想にとらわれずに救援活動や支援活動を行う。
外部リンク
日本赤十字社