超実数
超実数(ちょうじっすう)は実数を拡張した数概念。極限に関する古典的で直観的な感覚を、数学的に厳密に正当化する。実数体に無限小・無限大を加えたものは超実数体という体をなし、*Rと表記される。その元を超実数という。ただし、無限小や無限大は1点ではなく、たとえばある無限小より小さい無限小が存在する。
超実数やその関数の性質を研究する学問が超凖解析である。そこでは極限の直観を取り戻すことができる。
超実数は数学的に厳密に構成することができる。しかし、標準的な超実数の構成には数学基礎論の手法が用いられており、ある程度の基礎論に関する知識を要する。超実数の構成は実数の構成によく似ている。
歴史
17世紀にニュートンやライプニッツが微分積分学を創始したとき、彼らは極限や収束の概念を極めて素朴に考えていた。後になって、ワイエルシュトラスのイプシロン-デルタ論法の発明により微分積分学は厳密化され、無限小や無限大という概念によらずに議論できるようになった。これにより、収束性に関する直観的なイメージをそのまま議論に用いる方法は廃れた。1960年代にアブラハム・ロビンソンは超実数を考案して、古典的な無限小・無限大の概念を数学的に厳密な形で正当化した。