近世
近世 (きんせい) とは、歴史の時代区分の一つ。中世よりも後、近代よりも前の時期を指す。近世を近代の中に入れることもある。 日本においてはじめて「近世」という言葉を時代区分に用いたのは、京都帝国大学教授の内藤湖南教授であり、西洋史におけるマルクス主義的な段階発達論が日本史において適合しないために作られた造語である。近世がいつ始まり、いつ終わるかは様々な説がある。代表的なものは次のようになる。 西洋史では、ルネサンス以来の三区分論の伝統から「近世」に相当する言葉は無く、「early modern」初期近代と言う。一般的には16世紀から18世紀頃まで、絶対王政時代。 東洋史では、宋代から、明朝・清朝あたりまでを差すが、かつて日本の歴史学会では内藤湖南や宮崎市定の間で近世をめぐる時代区分論争があった。 日本史では、凡そ江戸時代の原型が成立する織田信長の上洛(1568年)から徳川慶喜の大政奉還(1867年)まで、江戸時代の成立から崩壊までを指すとする説が一般的であるが、1830年代を近代の胎動期とし、ペリーの来航(1853年)にはじまる開国を近世の終わり=近代の始まりとする説もある。 また、日本の各地方の別により、畿内統一権力の支配に服した年代をもって当該地域の近世の始まりとすることがある。たとえば、関東地方においては、1590年、すなわち後北条氏の滅亡をもって中世の終焉とし、同じく徳川家康の入封を近世の始まりとする説が有力である。 近世の訳語についても、近世をどのように捉えるかという研究者の立場により、「early modern」を用いる場合と、古代・中世をも包含する「pre modern」(前近代)を用いる場合がある。