自殺
自殺(じさつ)とは、自分の意思により、自分の生命を絶つことである。
日本では、その方法や状況などにより自害、自刃、自決、自死などと言われることもある。
2002年現在、日本の年間自殺者数は3万2千人を超えている。日本を含むいくつかの国では自殺は主要な死因のひとつである。(日本人の死因の第六位で、とりわけ二十代、 三十代では死因のトップ)ヨーロッパでは、ハンガリーで自殺者が多い。
自殺の背景
経済、政治的にその混乱と困窮の度合いがあまりにも高い国では自殺は、あまり見られない。生きることにまず最大の関心が向けられているから。また、経済的に繁栄し、さまざまなチャンスの多い国でも少ない。 多いのは、経済福祉などが充実しつつも、国民の心の空疎がたとえようもなく埋めがたいとか、西欧の経済文化をすぐ隣に目の当たりにしながら、それに手を伸ばすことが出来ないといった絶望的な状況にあるなどの国々では、自殺率はかなり高くなる。こうした国の経済、社会、文化や宗教などでの違いは見られているものの、自殺の大きな要因として近年あげられるのは、鬱病などの精神疾患との因果関係である。これらは慢性に経過するものから、強いストレスによって急激に発生するものまであり、自殺者や自殺志願者に対応する際、心得なければならない疾患の一つとしてしばしば注目される。
このような精神的危機の背景には、激しい競争社会や、低い自己評価に対する否定的な感情、家庭、職場での困難など複数の要因があるが、以上のような環境にあっても周囲の対応で精神の健康を維持することは可能である。
初めて、社会的な要因からの自殺の研究を発表したのは、エミール・デュルケームの『自殺論』である。
自殺の法律的な取り扱い
現在、多くの国では自殺および自殺未遂を犯罪として取り扱うことはしていない。しかし、これは、比較的近年になってのことである。歴史的には、自殺は犯罪と考えられ、その成否にかかわらず処罰の対象とされてきた。
現在の日本においても、自殺は犯罪とはされていない。しかし、他人の自殺に関与することは犯罪(自殺関与罪、自殺幇助罪)とされる。また、本人の依頼がある場合でも、人を殺害すること(同意殺)は犯罪と扱われる。
一般に安楽死は殺人、または自殺に関与する罪とされ違法なものと扱われるが、オランダにおいては、2000年に安楽死が合法化されるなど、尊厳死、安楽死がヨーロッパにおいて認められる動きがある。
自殺の文化的な取り扱い
キリスト教、およびイスラームでは、自殺は宗教的に禁止されている。そのため、欧米やイスラーム諸国では自殺は犯罪と考えられ、自殺者には葬式が行われないなどの社会的な制約が課せられていた。教会の墓地にも埋葬することが許されない。しかしながら、文化によっては自殺に類するものが推奨される場合もある。ヒンドゥー教には、夫が死ねば妻も焼身自殺するという、寡婦殉死(サティ)の風習があった。また、日本においても明治天皇崩御のおりに乃木大将夫妻の殉死が行われるなど、特定条件下の自殺は美談として扱われた。切腹・心中・特攻・自爆・殉死・即身成仏など、自殺に准じる行為がさまざまな状況で扱われている。文化的に推奨される場合には、社会的圧力により自殺が強要される場合もある。現代においても、パレスチナ人による自爆テロやフランスにおけるイラン人焼身自殺など、抗議の意思を伝える政治的主張のための自殺が行われる場合がある。
最近の情報
1990年代後半より中高年の自殺が数万人単位に増えてきている。2002年以降日本では年間三万二千人以上が自殺しており、人口に占める自殺率では先進国G7諸国中で1位、OECD加盟国では2位(1位はハンガリー)となっている。1日に平均88人、16分に1人が自殺している計算になる。2003年の年間自殺者数は三万四千人に達し、統計のある1978年以降最大となった。人口10万人あたりの自殺者数を表す自殺率も27.0で過去最大。 その原因の多くは不況によるリストラ、無理な住宅ローン返済などによるものとの見方が強く、不況の指標として取り上げられている。一方、若年層においては、インターネット上で知り合った者同士が一緒に自殺をする事件が幾度も発生。多くが、「楽に死ねる」とされる七輪と練炭を用いた一酸化中毒死であること、初めてあった人物と死を選ぶことの奇異性、などから、注目を集めた。
自殺者数の推移
(警察庁・自殺の概要資料より編集)| 年 | 総数 | 男性 | 女性 | 20才未満 | 20-40才 | 40-60才 | 60才以上 |
| 1980年(昭和55年) | 21,048 | 13,155 | 7,893 | 678 | 7,052 | 7,049 | 6,166 |
| 1985年(昭和60年) | 23,599 | 15,624 | 7,975 | 557 | 6,067 | 9,751 | 7,143 |
| 1990年(平成2年) | 21,346 | 13,102 | 8,244 | 467 | 4,769 | 8,158 | 7,853 |
| 1995年(平成7年) | 22,445 | 14,874 | 7,571 | 515 | 4,976 | 9,030 | 7,739 |
| 2000年(平成12年) | 31,957 | 22,727 | 9,230 | 598 | 6,986 | 13,063 | 10,997 |
| 2001年(平成13年) | 31,042 | 22,144 | 8,898 | 586 | 6,717 | 12,526 | 10,891 |
| 2002年(平成14年) | 32,143 | 23,080 | 9,063 | 502 | 6,953 | 13,275 | 11,119 |
関連項目
心中 切腹 集団自殺 自殺系サイト 完全自殺マニュアル 他殺 (対義語) 自殺した有名人一覧 著名な自殺者一覧 (海外) エミール・デュルケーム(『自殺論』・自殺の四分類)