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衛星放送

衛星放送(えいせいほうそう)は、人工衛星を用いた放送の形態である。テレビ放送のほか、ラジオ放送データ放送がある。

概要

テレビおよびFMラジオの地上放送では、見通しのよい山頂や高い電波塔に設置された送信所からVHFまたはUHF帯の電波によって放送を行う。この場合、受信可能な地域はアンテナが見える範囲の近隣地域に限られる。衛星放送においては、赤道上空約35,786kmにある静止衛星に中継器を置き、地球上から送信(アップリンク)した電波を受信したのち別な周波数に変換し、地球上に向けて再送信する(ダウンリンク)。静止軌道からは地球のほぼ半球が見えるため、広範囲で放送を受信することが可能である。

方式として、放送衛星(BS)を用いるBS放送と、通信衛星(CS)を用いるCS放送とがある。受信方法には次の二つがある。 • 共同受信方式: 各地域ごとに1個の地上受信局で受信し、地上波またはケーブルテレビで再送信する方式 • 直接受信方式: 各家庭でアンテナおよび受信機を設置して個別に受信する方式

米国では、早くからケーブルテレビが普及した(全世帯の約67%)ため、直接衛星放送は15%に過ぎない。一方、日本ではケーブルテレビの普及率は約37%と低いため、BS/BS放送との競合が見られる(普及率はすべて2000年度)。

また、衛星放送の目的として当初は人口希薄な地域における難視聴地域の解消(すなわち既存放送コンテンツの再送信)があげられたが、その後地上波放送にない専門性の高い番組を提供するなど、チャンネルを増やす目的の放送が広く行われるようになった。

また、NHKのBS放送は(別途 衛星契約が必要で、カラー契約に945円を加える事となる※毎月)である。2003年12月、NHK衛星契約数はおよそ1200万人である。

分類

日本では衛星の種類・伝送方式の違いにより、BSアナログ放送、BSデジタル放送、CSアナログ放送、CSデジタル放送に分けられる。

BSアナログ放送

1989年にNHKがKuバンド(14/12GHz帯)放送衛星「ゆり2号a」を用いて本放送を開始した。以後、日本の直接衛星放送はデジタル方式を含めもっぱらKuバンドを用いて行われている(*1)。映像をFM、音声をPCMデジタルで送出する。更に高精細度テレビジョン放送であるハイビジョンの試験放送をMUSE方式で開始した。 1991年には日本衛星放送(JSB、現在はWOWOWに社名変更)が民間放送初の衛星放送を開始、またWOWOWと同じチャンネルのPCM音声のみを使用してラジオ放送を行うSt.GIGAも同時開局している。
• 1) 但し2.6GHz帯衛星デジタル音声放送も2003年に制度化され、事業化準備中である

BSアナログ放送は2011年をもって終了する。

現在放送されているチャンネル

• BS-5ch WOWOW(デジタル191chとサイマル) • BS-5ch PCM ワールド・インディペンデント・ネットワークス・ジャパン(デジタル333chとサイマル 旧:セント・ギガ→クラブ・コスモ) • BS-7ch NHK BS1(デジタル101chとサイマル) • BS-9ch NHK BShi(デジタル103chとサイマル) • BS-11ch NHK BS2(デジタル102chとサイマル)

BSデジタル放送

2000年12月1日11:00、NHK及び民放キー局の関連会社などがBSAT-1b(後にBSAT-2a)を用いて放送開始した、ISDB-S方式による衛星デジタル放送。
これまでのアナログによるBS放送はNHK(2チャンネル)とWOWOW、そしてアナログハイビジョンだけだったが、新たに民放系のBS放送を加えてテレビジョン放送-10チャンネル、超短波放送(単営)-11チャンネル、データ放送(単営)-7チャンネルの合計18チャンネルに膨れ上がった。現状、WOWOW、スターチャンネルBSなど一部有料チャンネルを除き無料で視聴できる。

BSデジタル放送の特徴

• 高画質・高音質の迫力あるハイビジョン映像が楽しめる • テレビジョン放送では1チャンネルにつき3チャンネル分の分割放送ができ、同じ時間帯で異なる内容の放送が配信できる(マルチチャンネル放送) • CD並みの高音質のBSラジオ放送 • 番組表をモニター(画面)で手軽に確認できるEPG(電子番組表) • 番組に連動した情報やニュース、生活情報などがリアルタイムで引き出せるデータ放送 • 番組に連動してクイズやショッピングに参加できる双方向放送
※データ放送や双方向などを利用する場合、専用のチューナーとアンテナが必要。 • 音声の放送形式(フォーマット)にMPEG-2 AACを使用しているため、5.1chサラウンド音声を楽しむことができる。

現在放送されているチャンネル

テレビ
• ch1(101ch) NHK BS1(アナログBS-7chとサイマル) • ch2(102ch) NHK BS2(アナログBS-11chとサイマル) • ch3(103,104,105ch) NHK BShi(アナログBS-9chとサイマル) • ch4(141,142,143ch) BS日テレ日テレ系) • ch5(151,152,153ch) BS朝日テレビ朝日系) • ch6(161,162,163ch) BS-i(TBS系) • ch7(171,172,173ch) BSジャパン(テレビ東京系) • ch8(181,182,183ch) BSフジフジテレビ系) • ch9(191,192,193ch) WOWOW(191chはアナログBS-5chとサイマル) • ch10(200ch) スターチャンネルBS

ラジオ
• 300,301ch ビー・エス・コミュニケーションズ(日経ラジオ社系) • 316,317,318,319ch ミュージックバード • 320,321,322,323ch JFN衛星放送 • 333ch ワールド・インディペンデント・ネットワークス・ジャパン(アナログBS-5ch PCMとサイマル 旧:セント・ギガ→クラブ・コスモ)

データ放送
• 900ch他 メガポート放送(TBS・毎日新聞系) • 910ch   ダブリュエックス二十四(ウェザーニューズ、天気予報専門) • 933ch他 デジタル・キャスト・インターナショナル(デジキャス、テレビ朝日・朝日新聞系) • 940ch他 日本データ放送(日本テレビ・読売新聞系) • 955ch他 メディアサーブ(BS955、テレビ東京・日本経済新聞系) • 963ch   日本メディアーク(Tivi!963、共同通信社・時事通信社系) • 999ch他 日本ビーエス放送(ch999、ビックカメラ系)

CSアナログ放送

通信衛星を用いた視聴者向けの直接放送ができるようになったのは1989年放送法改正以後であり、これをうけて1992年に一般向け放送が開始された。主に日本衛星通信(株)のJCSAT衛星を用いる「CSバーン」および、宇宙通信(株)のSUPERBIRD衛星を用いる「スカイポート」の二つのプラットフォームに別れ、両者で限定受信方式が異なっていた(COATEC方式とスカイポート方式)。 1998年に、両者は普及が拡大したCSデジタル放送へ、またPCM音楽放送を行っていたミュージックバードは2002年6月1日に電気通信役務利用放送へそれぞれ移行した。 このため現在では放送法に基づくCSアナログ放送は行われていない。

CSデジタル放送

通信衛星を用いたデジタル伝送方式の放送である。2004年3月1日現在ではSKY PerfecTV、SKY PerfecTV!110、ep等のプラットフォームに分かれて放送が行われている。 パーフェクTV!が最初に事業化、その後ディレクTV、JスカイB、プラット・ワンが事業参入したが、1998年から2002年にかけて再編成され、現在はSKY PerfecTV!/SKY PerfecTV!110のみとなっている。 伝送方式は東経124/128度CSを使うSKY PerfecTV!は欧州方式(DVB-S)を用いるが、東経110度CSを使うその他のサービスでは日本方式(ISDB-S)を採用している。

放送事業者

日本放送協会(NHK)はBSアナログ放送では全事業を単独で行うが、BSデジタル放送については委託放送事業者となる。 • 民間放送については委託放送事業者・受託放送事業者・衛星役務利用放送事業者・プラットフォーム事業者などの形態がある。→民間放送を参照

送信設備

受信設備

歴史

(先史) • 1974年-米国、応用技術衛星ATS-6で2.6GHz帯で中継実験 • 1976年-カナダ、通信技術衛星CTSで放送実験

(BS衛星放送関係年表) • 1978年(昭和53年)4月8日- 実験用放送衛星(BSE)「ゆり」打上げ • 1984年(昭和59年)1月23日- 放送衛星2号a「ゆり2号a」打上げ • 1984年(昭和59年)5月12日- NHKがゆり2号aによる衛星試験放送開始 • 1987年(昭和62年)7月4日- NHKがゆり2号bによる本放送開始 (BS1) • 1989年(平成元年)6月1日- NHKがBS2の本放送を開始 • 1989年(平成元年)6月3日- NHKがハイビジョン実験放送(1時間/日)開始 • 1991年(平成3年)4月1日- 初の民間放送局 WOWOW およびSt.GIGAによる衛星放送開始 • 1991年(平成3年)- ハイビジョン推進協会がハイビジョン試験放送(8時間/日)開始 • 1994年(平成6年)11月25日- NHKと民放6社がハイビジョン実用化試験放送(8時間/日)開始 • 1997年(平成9年)4月17日- BSAT-1a(BS-4a)打ち上げ。翌年、BSAT-1b(BS-4b)打ち上げ。 • 2000年(平成12年)12月1日- BSデジタル放送開始 • 2003年(平成15年)1月17日- 2.6GHz帯衛星デジタル音声放送が放送方式として制度化される(モバイル向け放送)

(CS衛星放送関係年表) • 1989年(平成元年)10月1日- 放送法改正施行 通信衛星による直接放送を許可

1989年(平成元年)- JCSAT 1,2 打ち上げ • 1992年(平成4年)- SUPERBIRD-A、B 打ち上げ • 1992年(平成4年)2月4日- CSアナログ放送事業者6社認定。4月から順次サービス開始(CSバーン、スカイポート) • 1992年(平成4年)6月- CS-PCM音声放送開始 • 1996年(平成8年)10月1日- CSデジタル放送 パーフェクTV! 放送開始 • 1997年(平成9年)12月1日- CSデジタル放送 ディレクTV 放送開始 • 1998年(平成10年)3月31日- CSバーンが放送をパーフェクTV!に移行し放送終了 • 1998年(平成10年)5月1日- パーフェクTVとJskyBが合併 SKY PerfecTV になる • 1998年(平成10年)9月30日- スカイポートが放送をSKY PerfecTV!に移行し放送終了 • 2000年(平成12年)10月2日- ディレクTVが放送終了 • 2000年(平成12年)10月7日- N-SAT-110打ち上げ成功 • 2002年(平成14年)3月1日- 110度CSデジタル放送 プラット・ワン 開始 • 2002年(平成14年)7月1日- 110度CSデジタル放送 SKY PerfecTV!2 開始 • 2002年(平成14年)7月1日- 110度CSデジタル放送 蓄積型双方向サービス(ep) 開始 • 2004年(平成16年)3月1日- SKY PerfecTV!2とプラット・ワンが合併 SKY PerfecTV!110になる • 2004年(平成16年)3月13日- モバイル放送用衛星MBSat打上成功 • 2004年(平成16年)3月31日- 蓄積型双方向サービス(ep) 終了

(参考:予定) • 2004年(平成16年)- 7月、モバイル放送サービスイン予定 • 2007年(平成19年)- BSアナログハイビジョン放送終了予定 • 2011年(平成23年)- BSアナログ放送終了予定

関連項目

放送日本放送協会(NHK) • 公共放送民間放送放送衛星(BS) • 通信衛星(CS) • BS委託放送事業者一覧ハイビジョン

外部リンク

BSデジタル放送推進協会


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