複素数
定義
複素数(ふくそすう)とは、i 2 = -1 を満たす虚数単位 i を導入し、二つの実数 x, y を用いて x + iy の形で表現される数のことである。ω = x + iy において x を実部、y を虚部と呼び、それぞれ (あるいは Re(ω), Im(ω))で表す。
実数でない複素数は虚数とも呼ばれ、とくに実部が 0 のものを純虚数とよぶ。
関連する概念
ω= x + iy に対して、x - iy の形の複素数を ω の共役複素数(共軛複素数)といい、で表す。共役複素数の性質については共役複素数の項目を参照。
歴史
負の数の平方根について、いささかなりとも言及している最も古い文献は、数学者で発明家のアレキサンドリアのヘロンによる紀元1世紀のものであり、そこで彼は、現実には不可能なピラミッドの円錐台について考察している。 複素数の概念が盛んに取り上げられるようになるのは、16世紀にイタリアの数学者(ニコロ・タルターリア、ジェロラモ・カルダーノ)によって三次と四次の方程式の解の公式が発見されたときである。これらの公式は、たとえ実数の解を問題にしている時であっても、時によっては負の数の平方根をとることが必要になる。このことは、負の数でさえちゃんとした基盤を持ったものとは考えられていなかったため、二重に不確定の事柄であった。これらの量に対する虚 (imaginary) という言葉は、17世紀のルネ・デカルトによって、軽蔑的な意味でつけられた。複素数を解析学に本格的に用いたのはオイラーが最初であろう。彼の輝かしい業績のうちには、注目すべき(しばしば"人類の至宝"とも呼ばれる)等式複素数の存在は、1797年にノルウェーの数学者キャスパー・ヴェッセル(Casper Wessel 片仮名はデタラメ)によって、幾何学的に(複素平面を参照)解釈されるまで大半の数学者には認められなかった;このことは数年後にガウスによって再発見され有名になった。ガウスは、彼の学位論文において、今日代数学の基本定理と呼ばれる定理を証明したが(彼は注意深く複素数の概念を表に出さずに論文を書いた)、これは複素数の重要な特徴付けを行うものである。リーマンはさらに複素数の幾何学的解釈を推し進めて、リーマン面を発見し、その後のトポロジーへの道を切り開いた。二つの実数のペアを用いる正式な定義が与えられたのは19世紀のことである。