鉄道
鉄道(てつどう)とは、車両が内部外部の動力により、ルート上に設置された固定式案内路に誘導されてルートを踏み外さずに走行し、旅客や貨物を輸送するシステムまたは輸送を行う交通機関をいう。法的には、鉄道事業法施行規則第四条で、次のものが列挙されている。
- 第四条 法第四条第一項第六号の運輸省令で定める鉄道の種類は、次のとおりとする。
- 一 普通鉄道 - ごく一般的な鉄道
- 二 懸垂式鉄道 - 懸垂式モノレール
- 三 跨座式鉄道 - 跨座式モノレール
- 四 案内軌条式鉄道 - 新交通システム
- 五 無軌条電車 - トロリーバス
- 六 鋼索鉄道 - ケーブルカー
- 七 浮上式鉄道 - リニアモーターカー、HSST
- 八 前各号に掲げる以外の鉄道 -
概要
狭義の鉄道は、 平行して設置された二本の鉄製のレール(軌条)が案内路となり、鉄製の車輪が鉄製レール上を回転するものである。英語ではrailroadまたはrailwayといい、案内路の材質を問わないが、ドイツ語・フランス語・中国語をはじめ多くの言語で「鉄の道(路)」という表現をするように、狭義の鉄道が鉄道の原初形態である。この形態は、鉄道事業法に基く国土交通省令鉄道事業法施行規則において 普通鉄道と分類され、 新幹線、地下鉄等を含む多くの鉄道がこの形態である。また、英語でtramwayと呼ばれる路面電車も同じ形態であるが、日本では軌道法 により管轄される。広義の鉄道は、懸垂式・跨座式のモノレール、案内軌条式の新交通システム、鋼索鉄道(ケーブルカー)、浮上式鉄道を含み、いずれも鉄道事業法の許可または軌道法の特許を得て敷設される。 トロリーバス(無軌条電車)は、架線が張られたルートを集電装置(トロリー)により集電した電気を動力として走行するバスであるが、鉄道事業法に基く鉄道である(軌道法においては、「軌道に準ずるもの」として扱われる)。またロープウェイも鉄道事業法の対象であるが、索道という扱いで鉄道と区別される。
鉄道の特徴
利点
;1. 大量輸送
- 普通鉄道においては専用の鉄軌道上で案内されて運転されるため、列車を多数の車両を連結して一括運転できる。このため一度に大量の貨客を運送できる。
- 鉄輪・鉄軌道の組み合わせは摩擦力による走行抵抗が少ない。平坦な線路を20km/hで走行した場合の走行抵抗は1~2kgf/tと、ゴムタイヤを使用した自動車の10kgf/t(舗装道路)にくらべ1桁少ない。また、電動車では外部から電気エネルギーを供給するため、運送量あたりの所要出力はトラックの1/15程度である。
- 鉄道は、専用軌道を走行しない軌道や、例外を除けば、専用の走行路を使用するので、定時運行を確保しやすい。厳密な時間管理を要求する文化圏(日本など)においては定時運行の需要は大きい。もっともそうでない文化圏においては定時運行性に優れない場合がある。
- 単位あたりの使用するエネルギーが少ないため、排出される有害物質が少ない。また、電化鉄道では発電の材料を問わないため、簡単に新エネルギー(クリーンエネルギー)が導入できる。さらに、騒音対策にかかる費用も、自動車に必要なそれよりはるかに安い。
欠点
;1. 採算ポイントが高い
- 線路・駅などのインフラに対する投資コストが大きく、採算がとれる輸送量を多く必要とする。このため、利用者数が減少したローカル線の廃止などが発生する。
- 走行抵抗が少ない利点の反面、ブレーキ力も低いため、ブレーキをかけ始めてから停止するまでの距離(制動距離)を長く必要とする。このため閉塞管理をはじめとする安全運行設備が必須である。また踏切を有する在来線では、高速運転の上限が車両の動力性能ではなく、制動距離で制約を受ける場合がある。また、同じ理由により、自動車ほどの加速を得ることもできず、自動車ほどの勾配を上り下りすることもできない。
- 道路と平面交差する部分にもうけられる踏切は、鉄道側に通行優先権があるので、道路交通を一方的に遮断することとなる。制動距離との関連で、列車が通行するかなり前から道路交通を遮断するので、列車運行本数が多い踏切では交差する交通を長時間遮断することとなる。甚だしい場合には、地域コミュニティーまでも分断しかねない。このため、立体交差に切り替える事業が各地で進められている。
- 一部の路線・車両の事故や故障が路線全体、あるいはその路線に関連する他の路線に影響を及ぼすことがある。
- 異なる軌間の区間に乗り入れることは、困難である。また、建築限界が路線によって異なれば、乗り入れの障害となる。また、電気方式が区間によって異なれば、直通するためには双方の電気方式に対応するか、機関車を付け替えるなどの必要が生じる。
鉄道の影響
20世紀の初めには未来派によって先端技術、力、速度の象徴のように扱われたが、20世紀後半には一部の蒸気機関車が懐古趣味の対象となるなど、鉄道は先進国では社会に浸透し、人々の生活の一部にもなった。
また、広域交通が日本においては鉄道会社が不動産事業や住宅開発、あるいは小売り・流通業をしばしば手がけていたこと、アメリカにおいては時間帯の整備の必要性をもたらしたこと、全国紙のような広域メディアの発行を可能にしたこと、路面電車や通勤用路線の発達が都市の規模や郊外化と密接に結びついていること、など、社会のあり方が鉄道と密接に結びついている例は少なくない。
現在の鉄道の状況については、交通の鉄道の項目を参照のこと。
鉄道の形態
在来線 新幹線 私鉄 第三セクター 地下鉄 路面電車 新交通システム モノレール ロープウェイ ケーブルカー
技術
鉄道車両 鉄道施設 鉄道工学
乗車券、運賃
切符 乗車券 乗車カード 運賃
趣味
鉄道ファン 鉄道旅行 鉄道撮影 鉄道模型
事件、事故、歴史
鉄道の歴史 鉄道事故
鉄道と食事
食堂車 駅弁
用語
軌間(標準軌/広軌/狭軌) 鉄道事業 車両基地 駅、プラットホーム 単線、複線、複々線 停車場、信号場 線路 分岐器 一線スルー スイッチバック 閉塞 座席車、グリーン車、普通車 A寝台、B寝台 一等車、二等車 寝台車、展望車 女性専用車 列車番号
その他
メディアや芸術作品の中の鉄道 鉄道に関係する人物一覧
参考文献
「鉄道工学ハンドブック」,久保田 博著,グランプリ出版(1995-96)